第6章 出会い【ラビ】
肩を落としている理由は…
今まで、自分以外の人からは
残虐極まりないことしかされたことがないっていう経験の山話が
未だに心のどこかで、尾を引いていたからだった。
ジェリー「くす)
でもねえ、あの子意外と変わったのよ?
私が見習いに来た時は、結構暗い顔しててねえ。
人に話しかけるのも無理っていうか
話しだすまですんごい時間かかったんだけど」
ラビ(またその話さ?;
まさか、また話せなくなったとか
過呼吸とか咳喘息とかの発作みたいな?;)
そう内心うんざりしていると…
ジェリー「最近、楽しそうに話せるようになったのよねえ」
ラビ「え?」
ジェリー「フラッシュバックがあった時は、そりゃ沈んでるけれど…
でも、そうしたら神田が小突いて元気づけてくれるっていうか。
そんなの、どうでもいいし
昔のことだから捕らわれないでいいって、体当たりで教え込んでるのかしらねえ」にこ
ラビ「へ!?;」←初耳
ジェリー「意地の張り合いとか
遊びとか、そういうのを憶えていって…
最近ではすんごく嬉しそうに、満面の笑みを浮かべて
私と顔を合わせて、ちゃんと話しだしてくれるのよ(微笑」
ふふっ
そう笑いながら語るジェリ―を見て
すんごく進歩していることが、やっとわかった。
ラビ(なんだ…
闇だけじゃなかっただな)
それに安心して笑っていると
次々に語り出してくれた。
人の中にも、想い出にも…
なんか笑えるものから、苦しみを感じるものまである。
それを大別して、光と闇とか言ってるらしいけど…
それらは対極していて
苦しい思いをすることの方が、遥かに大きくなる。
でも…
その上ででも、闇しか知らなかったからこそ
僅かでもぶつけられる温かさっつぅか、光が嬉しくて仕方なくて
些細なものでも、幸せを感じることができるようになったらしい。
誰もが光も闇も、何かしら言えない事まで全部背負ってる。
でも…
些細な事でも、幸せを感じていられたら……
それだけで、笑ってられるのかもしれない(微笑)
そういう奴ばっかだったら、きっと…
争いなんか、戦争なんか起こらないはずなのにな……
ジェリーからの話を聞きながら、俺はふと思っていた。