第6章 出会い【ラビ】
婦長「あなたが一人、背負い込むことなんてない。
あなた「だけ」が、悪いんじゃない。
聖戦に勝つために
それだけに視野を狭めた教団にも、責任はある。
自分だけを責めて、自傷行為に走るのはやめなさい。
すぐ治るからと言って、無茶をしまくるのもダメ。
それよりも私は…
あなたの笑った顔が好きなの…(微笑)
解る?」
両目に涙を浮かべながら
その頭を優しく撫でながら、呟かれる言葉に…
先程とは、違う涙を流しているように感じた。
恵土「…うん;」つー
頬を伝って落ちていく涙をぬぐいながら
婦長もまた、涙を流していた。
婦長「人は一人では生きていけない。
誰もが、誰かしらに負担をかけている。
だから…もう、自分を責めるのはよしなさい(ぎゅう」
そう言いながら、婦長は恵土を抱き締めた。
優しく、包み込むように…
婦長「自分を許してあげて。
死んでいった両親のためにも、私たちのためにも…
それが、一番っ…
助けになる道なんだから……(微笑」涙
恵土「…うん;
ごめん;ネガティブな事ばっか言って;;」
婦長「いいのよ。
たまにしか言わないじゃない。
人の悪口も批評も、まったくしないでしょ?」
恵土「うん。基本しない。
でも限界になったら零す」
婦長「あなたの場合余程じゃない限り言わないのがダメなのよ。
少しずつでもいいから減らしていかないと
爆発した瞬間に、自殺しようとされたら大変じゃない」
恵土「うーん;
じゃあ…
ちょっとだけ甘える時間作る」ぐすっ
婦長「いつでも話に来なさい。
心のケアも十分医療の一つだから」
恵土「こく)…ありがとう」
………
婦長「そこの泣いてる坊やもね?」ちらっ
ラビ「へ?…ってえ!!??;」
気が付いたら泣いていた。
人間なんて、バカばっかだと思ってた。
戦争続けてばっかの…
でも…
その時、互いを思い遣る『尊い何か』を見た気がした。