第5章 出会い【リナリー】
その頃、私たちは気付かなかった。
何者かが、空から私たちを見ていたことを…
まだ幼い私たちは
目の前で起こる出来事に夢中で
それらの、一抹の出来事を空から見ていた人に
気付くことが、出来ないままでいた。
伯爵「お~やおや。
こりゃまた凄い!
凄いものを見ちゃいましたねェ~♪」
カボチャのような頭をした傘(レロ)を広げたまま
今までの出来事を見て、興奮気に語りながらも
空を飛んでいく伯爵がいた。
伯爵「イノセンスを地面に突き立てて
地面から空に至るまで、街の範囲内全てを浄化しつくしました♪
ですが…
あれはイノセンスではない」真剣
レロ「?どういうことレロ?伯爵たま」
伯爵「…感じないんですヨ。
エクソシストが相手の場合、殺したい気分になる衝動ガ(ハート)
つまり…
彼女は、唯一の異例。
気を付けなくてはいけませんネ…
彼女という、極めて異質な存在ニ♪」
レロ「どうするレロ?襲うレロ?」
伯爵「いーえ。
今回は退きましょう♪
幸いにも、収穫はありましたから」
レロ「レロ?収穫?」首傾げ←意味が解っていない
伯爵「…
ありとあらゆるものを復元させ、生物を蘇らせ…
何より、全ての存在を浄化しつくす。
あの能力は…まさに、『始祖神』。
あくまで可能性ですが、チェックしておくに越したことはありません。
要注意人物として、気を付けましょう。
アクマを無駄死にさせないためにも…
お互いのためにも…ネ(ハート」
そう真剣に呟かれた言葉は、空に消えていき…
伯爵もまた
空へ吸い込まれるかのように、消えていった……