第5章 出会い【リナリー】
恵土「…
臨界点、突破。
ライトニングブラスター!」
そういうと同時に、刃を地面に突き刺すと同時に
太陽の光が、一瞬であたりを覆いつくした。
その時の光景は…
今でも、忘れられないぐらいの衝撃があった。
だって……
街が全て、壊される前の状態に戻っていて
死んだ人は戻らないけれど
まだ辛うじて
アクマウイルスを浴びたばかりの犬は生き返った。
リナリー「……
これ…って」
神田「…;
(どう説明しろっていうんだ、コムイのヤロウ;」たら
恵土「…ごめんな。
まだ、全身に広がり切ってなかったから治せたけど……
お前の家族までは、助けられなかった;」ぽろっ
そう、涙声を詰まらせながら
その犬を抱き締めながら、元帥は涙を流していた。
元帥の泣き顔を見たのは、その時が初めてだった。
彼女のイノセンスは、浄化ができるらしくて
全身に広がり切る前なら助けられるらしい。
でも、既に死んでいる場合は論外らしくて…
とても辛そうで…
さっきまで怒り狂ったかのように荒立っていた感情が
あっという間に、目の前の命への愛情に変わっていた。
それ故の、怒りだったんだって解ったのは
その時だった。
恵土「!!
そうだ!あの蓮池は!!」
そう思い立ったように立ちあがって
走り出した。
リナリー「あ、待って元帥!!」
神田「おい!勝手に走るな!!」
それを焦りながら追いかけていくと…
その先にあったのは…
今では枯れたように見えるけど
蓮華が、沢山咲き誇っていただろう池だった。