第5章 出会い【リナリー】
そう二人を見守る中
コムイ「ごほん!」
兄さんが、話の趣旨に変えようと咳払いをした。
コムイ「まあ、自己紹介も済んだ所で…
仕事の話に移るけどいいかい?」
恵土「はい」
コムイ「恵土元帥、神田君、リナリー。
この3名は、至急中国にある日本人街に行って欲しい」
恵土「!何かあったの?そこで」
コムイ「…今朝、知らせが来た。
一部でアクマが出没したとのことだ」
神田&恵土『!!』
コムイ「恵土ちゃんにとって、というより
その両親の故郷だから解るだろう?
道中に寄ったこともあると聴いてるし。
けれど、くれぐれも冷静にね?
伯爵の狙いが何なのかも、勘ぐって欲しい」
恵土「…解りました」
その時の恵土元帥の表情は…
とても真剣で、軽々しく触れられそうもなかった。
それから、私たちは
中国にあるという日本人街へ駆けつけることになった。
その道中
電車の中で、私は一つ思ったことがあった。
リナリー「あの驚きようからして…
神田も行ったことがあるの?」
神田「…2度ほどな」
恵土「一緒に任務があった時と、たまたま通りがかった時だね。
あの時は1匹だけアクマが居て退治したけど、まさかまた…」
神田「伯爵か?」
恵土「頷く)うん…
アクマを少しずつでも増やそうとしてるのかも」
リナリー「そこって、どんなところなの?」
恵土「…お父さんとお母さんは同郷で、二人は元帥だった。
その二人が、エクソシストになる前に暮らしてた街で…
二人の生まれ故郷みたいなものなんだ。
私にとっても、故郷に当たるのかな?
と言っても、私はアジア支部で生まれ育ったんだけどさ…
そこにある蓮華の池が大好きでね^^
私も好きで、よく寄りたくなるんだ。
実際に行ったのは、死後だけど」
それから…
私は、そばというものも教えてもらった。
活気があって、和やかな人たちが要る場所だと……
でも……
辿り着いた時に見たのは、そんなものじゃなかった。