第4章 出会い【ユウ】
神田「…悪かった^^」
そう言いながら、俺は抱き締めた。
こいつがあの人でも…
どうでもいい。
こういう奴だから……
傍に居ても、嫌じゃなかった。
逆に、どこか救われていた。
だから…
『失いたくない』
『守りたい』
そんな思いが奔流した。
手放したくなくて
閉じ込めたくて、抱き締めた。
縛られたり、拘束されるのを嫌がることも忘れたまま
恵土「…笑ってんじゃん」
神田「嫌なら離れてもいいんだぞ」
恵土「それはやだ」即答
そう言いながら、向きを変えて抱き返してきた。
…
こいつも…同じことを思っているんだろうか?
抱き締めてくる相手が普通の人なら
必ず嫌がるはずのそれを
怖がるはずのそれを、そのまま受け入れていた。
寧ろ、求めていた。
蓮が見える俺と
霊が見える恵土。
恵土曰く、あの人もアルマも見えないし
呼び出したりすることもできないから、憑依も出来ないとぼやいていたが…
それでいいと思った。
なぜか……
今、この時だけは…
こうやっていたいと、思った。
互いの温かさを感じて
もともと温和なこいつの体温を近くで感じて
安心したのか…
気付けば、そのまま眠りについていた。
その当時の天候は、晴れのち曇り。
青空にちりばめられた雲が
蓮の花びらにも見えるように形を変える中
俺たちは抱き締め合ったまま、眠りについた。
恵土&神田『すーすー…(微笑』
安心したように、笑い合ったまま――