第4章 出会い【ユウ】
それから
ほとんどの時を、日本のことを知ることに費やした。
一年、ティエドール元帥と恵土とも修業しながら……
アジア支部へ一度寄って、ズゥ爺に会って刀を見てもらって
六幻という名をつけられた。
それから程なくして
イノセンスを見てもらいにヘブラスカの所へ行くため
本部へと、一度だけ帰った。
それから後で、また急用の任務が入ったから
本部に居た時間が、僅か数分足らずで去ることになった。
それになぜか恵土は安心していたが…
おそらく、実験場となった場所だからだと思った。
ついでに言うと…
アクマが大規模に出てきて、襲撃を開始しているらしい。
殺せば殺すだけ進化するらしく、うっとおしかったのを今でも覚えてる。
ゴキブリみたいだと言ったら、あいつはびくついてたが…
神田「そんなに怖いか?虫が」
恵土「嫌いいいいいい;」がくがく
何でかは知らないが、トラウマになってるらしい。
おまけに髪の毛も伸ばすことができないらしい。
もし髪の毛が頬にあたろうものなら
狂ったように泣き叫び、声が枯れても叫びまくり
目を血走らせたまま震えて、両膝を抱え込んでいた。
終いには涙を流しながら…
恵土「生きててごめん…;
ごめん;;
ごめん;;」
何度も謝り出して、30分も止まることはなかった。
それから次の日は
目を覚ますや否や、何事もなかったかのように…
恵土「昨日はごめん!!;
もう大丈夫だから、次行こ!」
神田「強がりなのが見え見えだ;」
恵土「へ?;」きょとん
なぜか、あいつが
自分自身でそのことに気付くことはなかった。