第4章 出会い【ユウ】
フロワ「…」
ぽとっ
ふと、音が聞こえた。
その傷跡を思い出してから、元帥に顔を向けると…
泣いていた。
フロワ「あの子は、誰からも守ってもらえなかった。
助けてもらえなかった。話しかけられたこともなかった。
ただただ毎日、苦痛だけが隣にあって
5年半もの間、それ以外に何も与えられることもなく生きてきた。
夢か現実かも解らないまま
考えも及ばないまま…
話す相手さえもいないまま、大きくなってしまった(ぐすっ)
その結果…
自分から感情を出す事が、ひどく不得手になってしまった;;」
それはどうだろう
神田「…結構駄々漏れだったと思いますが?;」
フロワ「それは今だからだ。
もう…
目を覚ましてから、5年と半年経っている」
神田「?どういうことだ?」
フロワ「…」かきかき
なに書き出してんだ?;
フロワ「これでわかるかい?」
そうして見せられた紙に書かれてあったのは…
5歳の誕生日から実験体
↓
5年半後、マリアンに助け出される
↓
一か月間昏睡状態で意識が戻らない
↓
中央庁から解放され、エクソシストになることを決める
(ティエドール部隊に配属、実験失敗に伴い中止)
↓
その次の日すぐ、「3年も」マリアンに連れ去られる
↓
2年僕と共に過ごす(現在)←今ここ
神田「……15かあいつ!!??;
11歳程度にしか見えねえ!!」
フロワ「実験の間、何も食べさせてもらえなかったんだよねえ;(ぐすん)
水も食糧もないまま、高圧電流を両手首から流され続けて…;
絶叫や断末魔を上げ続けて
挙句の果てには声まで枯れ果てて、記憶だって5歳の時まで点々としかなくって;;(ぐすぐす」
さっきから泣き通しだな、元帥…;