第20章 終焉
ロード「…というわけで
僕らはイノセンスも人間も壊そうとしてるって感じ。
まあ、今更どっちが悪かなんてどうでもいいんだけどね」
アレン「そんな…
じゃあ、ティキ・ミックが言っていたあのセリフは…」
浮かぶのは
「もとはそっちが始めたことだろうが!」
そう悲痛な表情で叫ぶティキミックの声(384ページ参照)だった。
ロード「どっちにしろ、人間ってのは生きてるだけでそういうの繰り返していくんだ。
だから、この世のデスを望んでる」
そう抱き締めながら呟く中
その腕の中で、静かに返事が返ってきた。
恵土「だからって…
殺していい、わけじゃない。
人は、誰もが過ちを犯す。
それを、味わったことのない誰かに移してはいけない。
なら、この感情は…どこに向ければいいか。
ずっと、探してた。
離しても、殺してもいけない。
話してぶつけるにしても、あまり傷付けたくない。
どこか、遠慮してしまう。
後々、大きな感情の奔流となって暴れることにも
誰かを殺すことにもなる。
けれど…それは繰り返しちゃいけないんだ。
その哀しみを知るからこそ、怒りを解るからこそ
だからこそ変えていけることがある。
失った命は、決して返ってこない。
どれだけ怒っても、泣いても、叫んでも…
その苦しみに、のたうち回ったとしても;」
そう涙と共に、語り出した。