第19章 お引っ越し
~おまけ~
これから書くお話しは
恵土が1か月と1週間半、昏睡していた間の出来事である。
昏睡状態に陥ってから、ちょうど1か月後…
アレン「…恵土さん、起きませんね」ぼそっ
そんな声が病室に響く中
未だに、微動だに動くことさえもなかった。
リナリー「…ええ」
その恵土のベッドの隣で、椅子に座ったまま
不安そうに手を握り締めているリナリーが、静かに頷いた。
アレン「…
(リナリー「恵土ちゃんまで死んだら…何の意味もないじゃないっ;」
あの時(281ページ参照)…泣いていた。
それぐらいの何かが…二人の間にはあったんじゃ?)
本当に…
大切なんですね、恵土ちゃんのこと」
リナリー「…え?」きょとん
アレン「いえ。
暇さえあれば、ずっとついていたから」
リナリー「…
そうね」
神田「お前も勝手についてんだろ」
アレン「神田には聞いてませんが?
カルタで全部の札ふっ飛ばしてどうすんですか」じろっ
神田「はっ。
他の札が巻き込まれていようが
その中にとらねえといけねえ札が入ってたらセーフなんだよ。ボケが」
アレン「何で一々悪態つかないと会話できないんですか?」ゴゴゴゴゴ
神田「てめえもな」ゴゴゴゴゴ
バチバチバチ
二人して、ベッドに居る恵土を間に挟んで睨み合っていると
リナリー「やめなさい!」
椅子から立ち上がってから
方舟の時と同様に
二人の上半身を押して、止めに入っていた。
ラビ「さっすがあ。
昔から恵土とユウの喧嘩止めてるだけはあるさ」微笑
リナリー「あれは喧嘩じゃなくてじゃれ合いよ」もお!
『正確には張り合いじゃ?』という空気が流れたが
リナリーにはスルーされたそうな。