第18章 真実【トゥルー】
そう思った瞬間
いじめられていた時の光景がフラッシュバックした。
誰もが離れていく光景が、瞼に浮かんだ。
ジョイド「お前の方が深刻だろ。
人の心配するより自分の心配をしろ!」
恵土「う;確かに言われたことあるけど;」
ああ;
私のこと、心配になったからか←それだけじゃない
ジョイド「はあ…(溜息)
お前なあ…;
まずは、自分を捨てるな。
たとえそれで誰かが助かっても
助かってから後で幸せを感じたとしても、何も嬉しくないことぐらいわかってるだろ」
恵土「…うん;」
ジョイド「…
ま、こっちとしては
目を離せない理由ができて嬉しいっちゃ嬉しいが」
恵土「…あのさぁ…」
ジョイド「ん?」
恵土「……
私といて…本当に、嬉しいの?」
不安がよぎった。
そうすることで、枷になっていないか
やりたいことも出来なくなってしまわないか…
それが逆に、私を焦燥や不安へとかきたてた。
ジョイド「嬉しいも何も…
ずっと探してたんだからな、こっちは」じっ
恵土「!」
抱き締める力を弱めて
私と目を合わせて、見つめてから
未だに膝の上で握りしめたままだった、私の拳に
そっと、ジョイドの手が重なってきた。
その温もりを手放したくなくて…
握り締めようとしてくる手を
強く、痛くないように握り締めた。
離したくなかった…
もう二度と……