第18章 真実【トゥルー】
きっと、クロスはこうなることわかってた。
あとになればなるほど多くなって、密になって
話す時に辛いほど湧き上がってくるってこと。
だからあの時…
過去も全部わかってて、こっちにもわかるように語ってくれた。
こっちは当時、それを聞いてて余計に
「現われないに決まってる。
それに人の方が大事だってのは絶対死んでも変わらない」って思ってた。
でも…
そしたら、どこかしらでぶつかった。
ユウも、リナリーも、ラビもアレンも
みんな…心配してくれてた。
大事だって言ってくれた。
傷付いたら心配して、弱ったら駆けつけて…
矛盾してるって解ってるんだ、本当は…
それでも…
それで変えてしまったら
それまでの時を経て、築き上げたもんは何だったのかってなる。
その程度のものじゃないから、余計で…
誰にも言えない。
持ちかけられるような内容じゃない。
そう思っては口をつぐんできた。
殺してでも止めようって、必死だったんだ。
苦しめたくないから、悩ませたくないから
自分が死んでも、傷付いても
苦しむ人はいないって。
あの時みたいに、それを笑って無視するんだって!
そう思い込まなきゃ…
破裂しそうになるから
傍にいる誰かに、縋ってしまいそうになるから。
でも…
いつの間にか、変わってた。
『迷惑じゃないのかな?』
取り巻く環境が変わって、純粋に愛情向けられて。
どうしたらいいのか解んないから
笑えるようにって
頑張って、小さい時みたいにやりたいことやりまくって
言いたいことも、いっぱい言いまくって…
肝心なことは、全く言えなかったけど……
そのメチャクチャが、自分でも面白くて…
気付けば、失いたくなくなっていた。
楽しくて、仕方なくなっていた。
とめどない、今の温かく感じる「日常」が…