第18章 真実【トゥルー】
殺したくない。
消したくない。
傷付けたくない。
何より…
迷惑を、かけたくない。
消えなきゃ、いけない。
潰せばいい。
こんな自分の心など…
『自分を殺したい』
それは、自分がいたせいで嫌な思いをするという意から。
大事だと想える相手ほど、強く自分へ思う。
『人を傷付けたくない』
誰にも、同じ思いを味あわせたくない。
痛い思いも、苦しい思いも…
自分が関わることで増やしたくない。
減らせるのなら、減らしたい。
そういった目に、遭い続けてきてからこそ…
幼恵土『痛いのは誰でもやだもんね^^』
いや、その前から思っていた。
結果として
まるで、その考えを否定するかのような目に遭ってきたわけだが…
『人を殺したい』
それまでの出来事があった分、人という存在を憎んで殺したくなる。
今まで押さえ込んできた想いが爆発して、狂おしいほどに身をかきたてる。
今まで味わってきた、理不尽な言動に対する「怒り」や「恨み」と共に…
でも…
それが、常に存り続けること自体が
本当に、辛い。
苦しい。
ジョイド「本当に…
大事だって想うんなら、自分を大事にしろよ!」
そう揺さぶられる中…
上記の感情がいっぺんによぎり、答える余裕などなかった。
ジョイド「ッ…(ぎり)
なんとか言えよ!!」
大切な人が死んだところを、もう見たくない。
そんな気持ちが伝わってきた。
それは、私も同じだ。
でも…
恵土「…
いっぱい」
ジョイド「?」
恵土「たくさん、気持ちがある」
ジョイド「?どういう…」
恵土「今更?」
振り絞られた声は…
心なしか、引きつっていた。