第16章 朝を越えて
恵土「だって…;」
リナリー「どっちも助からないと意味ないの;
私にとっては…
恵土ちゃんも、大事な人なんだから;;
私が笑えるようになったのも
ちゃんと、感情を出せるようになったのも…
あなたがいてくれたからなの!!;」涙
恵土「リナ、リー…」涙
左腕を右手で掴み寄せながら響いた涙声に…
恵土もまた、涙をこぼしていた。
リナリー「だから…お願い(ぎゅうう)
ちゃんと帰ってきて。
私も、生きてて欲しい。
だから、自分をないがしろにしないで」
恵土「ぅ;
…うん;
わがっだよ;リナリぃ;;」
抱き締めながら、涙声を零す中
鼻声になりながら抱き締め返した。
必要とされていることに、ちゃんと気づいて欲しかった。
これで少しは
気付いたかもしれない。
そう思いながら見守る中…
アレン「本当にそうですよ;むじゃばっかり;;」ぐすぐす
泣きじゃくってるこいつを無視した。
恵土「ごめん、タップ;
10時間しか、あげられなかったよっ…;;(ひっく)
ごめん…;
ごめんねっ;」ぼろぼろ
ぎゅうっ
何度も謝りながら
涙ながらに、リナを抱きしめるそれは…
「申し訳ない」「愛おしい」「大事にしたい」「守りたい」「生きたい」
溢れ出てくる、数多の感情にあらがえず
処理が追い付かないまま、助けを求めようと
縋っているようにも見えた。
ようやく、人に縋れるようになったことに…
神田「ふっ」微笑
俺は少し、安堵した――