第16章 朝を越えて
恵土を殴ったリナの右拳と、殴られた右頬が未だに煙が上がる中
クロス「随分恵まれたな、今回は。
ほら見ろ。
心配する奴は他にもいるぞ」
リナリー「ひっく;うぅっ;」
ペタンッ(その場に座り込む)
恵土「ごめん!;
だって…
だって、何とかできるの私だけだったから;
あそこで、一瞬でも迷ったら助けられないし;
助けられるのに、助けないなんてやだから;;
私しか、いなかったから;;」ぼろぼろ
リナリー「それでも!!
恵土ちゃんまで死んだら…何の意味もないじゃないっ;
いつだって、助けようとしてくれたじゃない。
バカみたいなことして!笑わせようとしたり!
下らない事やって、一緒にバカみたいに笑って!!
それをしてくれたのが、あなたなのにっ…
死んだら意味ないじゃない!!;
あなたが死んだ世界でなんて…
私、生きられない!!;」
その涙声に、モヤシまで泣き出しやがった。
アレン「ぐすっ;そうですよ;
生きてないと、出来ないじゃないですか;;」ぼろぼろ
リナリー「生きて、一緒に居たいのっ!;
そうでなきゃ…いやよ;
殺さないで;;
お願い…っ」
絞り出すような、か細い声に
恵土まで涙をぼろぼろとこぼした。
恵土「ごめん…;
ごめん;
助けたかったんだっ;
大事だから;大切だったから;;(ぼろぼろ」
リナリー「そのためには自分はどうなってもいいの!?」
その直後に響いたのは、リナの叫びで…