第16章 朝を越えて
アレン「…砂に?;」
クロス「ああ」
神田「つまり…
自身の命を媒体にして、相手の構造を変えると?」
アレン「え!?;
でもそしたら何でスカルは無事なんですか!?;」
クロス「人間からスカルにすんのは平気なんだよ。
元来、そういう魔術だからな。
元に戻すわけでもなし」ふー
アレン「え!!??;」
クロス「問題は
人間からスカルにされた存在を、再び人間へ戻す魔術だ。
スカルとなった場合、構造も人間とは全く違う。
それを一気にすべて元通りに戻すとなれば…
「命」と引き換えにしなけりゃ無理だ」
『!!』
クロス「そもそも
導式改造とは、人間をスカルにするための魔術。
もう既に起動されているそれを
無理やり閉じ、元の構造に戻すにはその媒体が必要となる。
完全に戻すには、生命エネルギー込みの人体をもとにして行うことになるからな。
間に合わなけりゃ砂と化してた。
そうまでして使うべきじゃねえってことで「禁忌」にしたんだよ」
アレン「ああ、なるほど」
神田「つまり…
あいつが元に戻した奴の命は」
クロス「ああ。もって10時間ぽっきりだろうな。
こいつ自身、起き上がれねえほど弱り切ってたわけだし」溜息
アレン「え…」
クロス「動かねえ身体に鞭打って走って…
その上魔術まで使ったんだ。
地面にヒビ入れさせて、術式を中途半端に壊した。
そうでなけりゃ、こいつは即死だったからな」恵土指さす
そう指さす先に居る恵土は…
真っ青で、息絶え絶えの状態だった。