第15章 襲撃
いつでも、自分のことのように怒ってくれた。
一番
人一倍、私のことを気にかけて…
怒ってないように見えて
私が居なくなってから、その人へ怒りをぶつけていたこと
ちゃんと、知ってたよ。
意識を手放す中、見えたのは…
神田「恵、土…っ」
涙が零れ落ちる、ユウの顔だった。
幼い頃の涙顔が、脳裏によぎる。
ずっと昔、蓮池での光景が
頬を触れ合わせた時、抱き締め合った時の温かさが…
いつまでも、私を離さず
今もなお、反芻するかのように抱き締められていて
恵土(あったかいなあ…)
目を伏せたまま笑って、意識を手放す中
いつまでも、包み込んでくれていた。
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ルベリエ「あの馬鹿がっ!
無駄なことに力を使いおってぇ!
神田ユウ!何をいつまで抱えている!?
さっさと捨てろ!!
そいつはもう死ぬ!もう使い物にならん!!」
ラビ「イラッ)好き勝手言いやがって!
ユウ!
とりあえずここから恵土を離すさぁ!巻き添え食っちまう!」
神田「…」
しーん
その最中、戦闘によって爆発が起こる中
未だに、茫然自失としているユウがいた。
抱き締めたまま、決して離さぬまま…
ラビ「…;
聞いてるんさ!?ユウ!!
…ユウ!!
…ユーウ!!」
神田「……」
しびれを切らして揺するも、何も反応が返ってこなかった。
それに
ラビ「ぶちっ)ユウーーーーッ!!!!!」
ごす!!
怒りを露わに、ラビは拳骨で神田の頭をぶちのめした。
神田「っ
何しやがる!くそうさぎぃ!」
ラビ「このままじゃ巻き添え食って死んじまう!!
上行くぞ!!」
神田「はっ)…ああ」
そう頷きながら
目を落とすと、見えたのは…
恵土に、アクマウイルスが広がっていく様だった。