第14章 束の間の平穏
恵土「…
リナリーのイノセンスは、ハートじゃないよ」
『!!』
そう呟くと、二人は驚いたような顔をしていた。
ルベリエ「なら、一体どこに!」
恵土「…それはまだ解らない。
でも、教団にはない」
コムイ「それはつまり…
まだ、発見されていないってことかい?」
恵土「ああ。
全ての元凶となったハート…
それはもう、目覚めてはいるが狂ってる」
ルベリエ「それはどういうことだ!」
恵土「はあ~」
コムイ「何で溜息ついてんの?;」
恵土「読み取るのってしんどいんだよ;
隣失礼しまーす」どっか
ルベリエ「言いながら座るな;」
恵土「もう疲れた;」
そう肩を落としながら、ソファーに座る中…
恵土「ハッキリわかってることだけ言うけど…
教団内には、枢機卿の中にアポクリフォスやハートへの内通者がいる。
それに気を付けること。
それと、リナリーは大丈夫。
これはただの勘だけど…
イノセンスが進化して、別の何かになる。
寄生型じゃない、何かに…」
そう感じたままに呟くと
コムイ「それは…」
ルベリエ「予知かね?」
恵土「私の勘、よく当たるの知ってるだろ?
あの腐れ外道クロスが行方くらました時と同様に(黒笑」はっ
ソファーに両肘をかけて上を向きながら
呆れたような心境に包まれる中、なぜか笑みが零れた。
コムイ「ああ、うん・・;
あの時、言ってたね;誰も信じなかったけど」
恵土「で、当たれば縋るってわけかい」溜息
コムイ「ん…;なんか、ごめんね;」
恵土「コムイが謝る事じゃねえ。お前は信じてくれただろうが」
コムイ「っていうか、神田君の影響もろに受けてない?;」
恵土「どこが?」
コムイ「口調が。主に」
そう話し合う中…
隣のルベリエは腕組みをして俯いたまま
そんなのんきにも見える会話を聴きながらも、イライラを押さえられずにいた。