第12章 ノア
ロード「どれだけいい環境でも、悪い環境でも
お構いなしに、悪いことを平気でする人間ってやつがいる。
救いようなんかなかったんだ、こんな世界も…
人間って存在そのものでさえも。
だから…
アダムは、この世界の終焉(デス)を望んだ。
暗黒の三日間の発動を、心から願った。
そして…僕等は受諾した。同じ気持ちだったんだ。
それが、本当の意味で誰もが幸せになれる道だから。
その意味を、理解していたから…
誰かが不幸になる代わりに
誰かが幸福を掴むこと自体、成り立っちゃいけないことだったから…
それに気付けたのは、きっと…
トゥルー様の死があったからこそだろうね」
ティキ「…ああ。
そうだな」
そう言葉を交わしてから、立ち去ろうとした。
ロード「…ティッキー」
ティキ「ん?」くるっ
振り返ると、飛びつかれた。
というより、抱き締められた。
ロード「…
一つだけ、お願いがあるの」ぎゅ
ティキ「おいおい。なんだ?」
ロード「…恵土をさらうの、少し待ってくれない?」
ティキ「?何で」
ロード「実際、話した時に聞いたんだけど…
もう少し、探りたいんだって。
黒の教団本部じゃないけど…
中央庁かどこかしらに、自律的に動けるイノセンス・アポクリフォスがいる。
そして…ハートへの内通者がいる。
嫌な感じがしたらしいから、調べておきたいんだって。
だから…
連れ出すのは、もう少し先にして(ぎゅう)
お願い…
あと、少しだけだから……」
そういえば、最近の恵土の動向はと言えば
本部を余すところなく調べて、ありとあらゆる支部を回って隈なく調べて
あとはアジア支部と、中央庁だけってことになってたよな。
スーマンだっけか?
後々(3月前半ぐらい=今から3か月後)、そのエクソシストから情報を聞いて
一応、元帥の動向も聞いてたから解ることになったけど…