第3章 出会い【元帥】
がちゃ
突然扉が開いた。
そこに目を向けると、いたのは…
ルベリエ「…」
あの夜、両親を殺すよう仕向けた人だった。
恵土「!!!」
その瞬間、一瞬で全身の血が沸騰する感覚がした。
ルベリエ「具合はどうかね?
よくなり次第、次の実験に協力してもらいたいんだが」
恵土「よく、も…」
ルベリエ「ん?」
恵土「よくも!
パパとママを殺したな!!!(だっ!!」
何も、考えられなくなっていた。
脳裏に浮かんだのは
血にまみれたパパとママの姿…
殺すよう仕向けた、ルベリエの黒い表情が瞼に残っていた。
がしっ!!
恵土「離せクロス!!!」
クロス「そこで殴れば、元の木阿弥だ」
恵土「!!」
クロス「エクソシストとして生きるんなら、堪えろ」
抱き締めたまま
小さな声で、耳にささやかれた。
ルベリエ「殺した?何のことかね?」
恵土「貴様!!(かっ!!」
ラウ「かっ!?」
『!!!』
クラウド「…
ラウ・シーミンが、勝手に!?(発動しただと!」
自分の近くにいたイノセンスが
勝手に、発動状態へと変わっていた。
それを使う、本人の意思とは関係なしに…
ルベリエ「ふっ。
何を言っているのかね?」
恵土「!?」
ルベリエ「その力があったから、呼ばれた」
恵土「!!」
その直後、脳裏によぎった…
両親と一緒に、アジア支部から本部へ呼び出されて着くまでのこと。
ルベリエ「その力があったから、殺された」
血にまみれた、両親の姿。
ルベリエ「本当は、わかっているのだろう?…
君が殺したんだよ!
君という存在が!!」
その直後、浮かんだのは…
母が、私を抱き締めて護ってくれた
そのまま後ろから攻撃を受けて、血にまみれて死んでいった場面だった。