• テキストサイズ

第0使徒【D.Gray-man】

第12章 ノア





ロード「そうして…

涙ながらでも、ピアノを弾き続けた。


お母さんが教えてくれた、あの曲を口ずさみながら…



外が安全になるまで、ゲートは開くことはなかった。

きっと、そう念じて閉じられたんだと解った。



それでも…どうしてもやめられなかった。

守りたかったから、唯一の家族を…


500年もの時を共に過ごし、乗り越えてきた兄弟を……(涙)



挙句の果てには

死んだお母さんの笑顔がちらついては、離れなくなっていった。



そして…

どうにもしようがなくて、泣き崩れた。


涙が止まらなくて、感情の激流に襲われて……



人間を滅ぼす以外、何も考えられなくなった。



「神の力」であったイノセンスは汚れ

その神の力に選ばれた人間によって、神格は落ちていった。


人の命を奪い、殺し、それを何とも思わない心には邪が宿り

イノセンスは、ただの兵器へと成り下がることになった。



そしてアダムは誓った。

ハートを壊すことを…


そして、人間を滅ぼすことを……



それが、『暗黒の三日間』の発動。

皮を被って「千年伯爵」へと変わる前、アダムから受諾した役目。



人間は

人間がいる限り、悔い改めない。



イノセンスが

トゥルー様の力だったものが、人間の都合で壊されていく。


それが耐えられなかった」


その言葉に、俺は頷いた。



見せられる光景と共に、記憶が断片的に蘇ってきた。


そして、生々しい感情に襲われていた。



許せない、憎いという『憎悪』と


失いたくない人を奪われた、『虚無感』と

切ないなどといったものを遥かに通り越すほどの、『哀しみ』に…



そして

恋い焦がれた、愛おしい人(トゥルー)への『想い』も共に……


/ 410ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp