第12章 ノア
ロード「そして…
その中には、イノセンスを持った連中もいた。
特に、ハートを持つ奴は血眼になってたんだ。
消えたくないからか、よくは解らないけどね…
イノセンスにも、ある程度の意思はあるんだよ。
『この世界を、守ってね』
そう願いながら、世界に散らばめられたけど…
そいつは、人の心と同調して力を発揮する。
そいつが誰かを殺そうと思えば、殺せるんだ。
どちらも、こちらを殺したのが悪いって
正義はこちらにあるって勝手に掲げて
各々の考えを抱えて、押し付けて…
最後には、殺し合った。
そして資源が最も溢れる場所に、寄ってたかった。
まるで…
地面に落ちた砂糖に群がる、蟻みたいに……
そして…
トゥルー様は殺された。
トゥルー様をなくしてから
僕ら、使途が亡骸に集まった時…
トゥルー様の身体が光の粒になって、僕らの中に入っていった。
そうして…
ノアとしての力が目覚めたんだ。
そのために、力を予め分けていたんだって気付いたのは
死んだ後になってからだった」
ティキ「死んだ後になってからも、守ろうと…」
ロード「うん…
僕らを、ハートから護りたかった。
そのために、死んだ時になったら…
自分のイノセンスを破壊する力を分け与えた僕らに、力を与えるつもりだったんだよ。
必死になって戦っていたけど、国は壊滅。
必死に逃げ惑う人でさえ、イノセンスを持った人たちは殺していった。
親切にしてくれた人たち、友達…
色んな人を、奪っていった。
居場所も、故郷も、愛する人も…全て……」
涙が浮かびながらも…
その目には、しっかりと焼き付いていた。
燃えて消えていく家も、殺されていく大切な人々も……