第10章 騒動
ラビ「まあ早い話、あいつは昔から
何度も何度も殺されかけて
その人に対する恐怖が、今も体に染み付いていたり
自分が悪いから、そうされるのが当たり前って
周囲からその意見を強要されて、ひどい目に遭い続けて
潰されそうになったり、傷付けられ続けてきたり…
そんな環境から「助けてくれる人」も、一人もいない環境で毎日5年も過ごし続けていた。
そういうのが当然って日常を、周囲から当たり前のようにされ続けていたから
愛情を向けられたりすることに、慣れてない。
恋愛感情ってのも、ぶっ壊れちまった。
その結果…
人に迷惑かけるぐらいなら潰れた方がマシって言うか
自分に厳しくし過ぎて
人に迷惑かけないようにって律し過ぎるっていうか
負担になることを恐れるあまり、気を使い過ぎて
自分が潰れるその瞬間まで、そうし続けていくことが…
ずっと、そういうのが当たり前だって思って
それが常に根底にあって、過ごすようになっていたらしいんさ。
ただ、異様に自分を責め過ぎちまうってのが難点なんだ。
これが;」
アレン「師匠に恵土さんの爪の垢を煎じて飲ませたい;;」
ラビ「うん;気持ちはわかる;」頷く
そう返してくる気持ちも、解らんでもないよなあ;
アレン「時々狂ったかのように泣き叫んでいたのも
きっと、そういう感情の積み重ねによるものだったんでしょうね;
解ってくれるわけないって絶望して;;」
ラビ「ああ。そう言ってたな。
でも…
『俺等に会えて、本当に良かった^^』って笑ってた。
おかげで、今が楽しいってさ^^」
そう指さす先に居たのは…
紛れもなく、水をかけ合って笑う恵土だった。