第9章 異変
どうすれば、みんなが笑っていられるか…
それに関わっているものに、自分が生きてることは含まれないって思ってた。
決めつけてた。それで誰かが死ぬぐらいならって…
でも
「自分自身」という存在にもあるんだって、教えてもらったから。
生きて、良いんだ。
傍にいて、良いんだ。
人にしてきたことが、好意が返ってきた。
それが嬉しくて
恵土「ひっく;うっ;」
涙が、止められなくなった。
神田「…おい」
恵土「?ぐすっ」
ごんっ!
何で拳骨!?・・;
リナリー「神田!;乱暴!;」
神田「遊びに来たんだろ。
泣きに来たわけじゃねえ。
もう…伝わってんだろ。
お前に会えたことを、誇りに想ってることも
お前が大好きで、仕方ねえことも…
何度も何度も同じような言葉はいてんじゃねえ。
もう…
それは、言わなくても解ってる」
その想いは、言葉にして出されたものじゃない。
でも…
確かに、その想いが伝わっていたらしい。
どうあっても助けたい正義心、
自己犠牲、慈しみ、人を労わろうとする想い、
自分が要因となって、殺された命への罪悪感
様々なものが
「自分」という存在に、存在の中で絡み合って、板挟みになっていた…
押し潰されそうになっていたことも
遠い過去に、一人きりで誰も助けてくれなかったことから
余計に、助けられたことが嬉しく感じたことも
人と笑い合うことが、とても素晴らしく、愛おしいと思っていたことも…
全部…
言わなくても通じていたことが、伝わってきた。