第9章 異変
『本当に…ありがとう』
そう思いながら
考えながら
その気持ちを伝えようと、二人がいるであろう後ろを振り返ると…
随分と離れていたわけで;
恵土「ってあれ?;
二人とも早くー!置いてくよー!!」
↑
二人の会話は聞いていなかった
(というより、考えるのに集中しすぎていて
聞こえず、頭に入らなかった)
愛しい二人に、私は叫んだ。
ちなみに言うと
その間に、湖についた。
すると、二人は走ってきたわけで…
神田「うるせえ!せかすな」
リナリー「…いつ見ても綺麗ね^^」
恵土「でしょう?頑張ったんだよ!^^
二人とも…本当にありがとう^^」
神田&リナリー『?』
神田「何の話だ?」
恵土「いや…
改めて言うと、照れ臭いんだけどさあ^^//;(ぽりぽり)
……
私、お前たちに会えて本当によかった^^
大好きだよ」
神田「?;」何とも言えない顔
リナリー「…私も、二人にはいつも助けられてるわ^^
本当に、ありがとう^^」
神田「というより今更だろ、いつも言い合ってる」
恵土「…だからさ…
引き戻してくれて、私を望んでくれて……
求めてくれて、いていいんだって教えてくれて…
本当に…本当に、ありがとう^^」涙
ぎゅう
心臓がある部位を掴みながら、その痛みもひっくるめて
全部知った上で、愛してくれた。
何か力になれないかって、考えてくれてた。
それが嬉しくて…
涙が、零れ落ちた。
ぽとっ
湖畔に、雫が落ちる。
波が起きて、その水面に映った景色は変わる。
人の心のように、感情のように揺れ動く。
いつもそうだということはない。
でも、その変化は…
全部が全部じゃないけれど……
本当に…
本当に、嬉しかったんだ――
こんなに愛しいと思える人に会えて
一緒に過ごせて、笑えて…
何もかもが、本当に……
全部、大好きだって言えるほど
その感情で、いっぱいになって
自分という全てに、覆いつくされていった。
きっと、この涙は…
そういう経験が、その人との時間が
どれだけ素晴らしいかを知っているからこそなんだって、想ったんだ……