第9章 異変
神田「俺は…
お前といることを、迷惑だと思ったことはない。
何でも言いたいことをぶつけ合える、最高の「友」だと思ってる」
恵土「!!」ぶわっ
なぜか…
自然と、涙が零れ落ちてきた。
神田「お前と会えたことが、過ごせたことが…
その全部が、俺を変えてくれた。
楽しめる時間が、増えていった。
俺の心を救ったのも、笑えるようになったのも
お前のおかげだと言っても、過言じゃねえ。
だから…」
そう言いながら、頭の上に手を乗せてきた。
その時の視界はぼやけていて、よくは見えなかった。
でも…
本当に、嬉しそうに笑っていた。
神田「全部、お前のせいにしてんじゃねえよ。
お前がいたおかげで救われた命もあれば、人もいるんだ。
犠牲があるから救いがある、そう昔俺に教えたな?
俺は…
お前といる「時」を、犠牲だとは思ってねえ。
寧ろ、逆だ」
恵土「っ…;
ユウ…私、もっと居たい。一緒に居たいよ。
でも、痛いんだ。心が;
解らないんだ、自分で自分が;
色んな感情で張り裂けそうになって、押しつぶされそうになって…
もう、どうしたらいいのかもわかんないよ;
その苦しみ味わうぐらいなら、死にたいって思ってる;
それぐらいいっぱいいっぱいで;
でも、一緒に居たくて;
もっと一杯…笑っていだくて;;ひっく
私…居ても、迷惑じゃないのかな?
消えなくで、傍に居ても…いいのかな?;ぐすっ」
その部屋に、小さく響く声は…
とても弱々しくて、聞き取れそうもないようなもの(鼻声)だった。
でも……
その時のユウは笑ってて…
神田「当たり前だ」微笑&溜息
『何当然のこと聞いてんだ』って顔で、溜息交じりに答えて
頭を乱暴に抱き締めながら撫でまわした。
恵土「っ~;うっ;
あっ;ああっ;
わああああああっ;;」
それに私は、泣きついた。
遠い昔、辛いことがあったら
限界を通り越した時にやったように
両親に縋りつくように、しがみ付きながら泣きじゃくった……
ユウ…
伝えたいよ。
私にとっても…
ユウは……
「最高の親友」だよ。