第9章 異変
神田「!!
…おい?(様子がおかしい」
そう手を伸ばす神田が…
白ばんで、見えてきた。
足元がおぼつかない。
立ってるだけでもしんどい…
恵土「霊感が鋭くなり過ぎて過呼吸なったのは前の時にあったけど
それとはまた違うしんどさがあるわけで、もうキツイ;
自分をなくして、死んでしまった方がよっぽど楽。
今まで無理やり叱咤激励して何とかいうこと聞かせてきたけど
もう…身体が…思い通りに……動か、ない…」ぐらっ
神田「!!おい!」ばっ
リナリー「!!恵土ちゃん!!」
どさっ!!
身体が倒れて意識が飛ぶ、一瞬前
視えたのは
切羽詰まったような神田の顔が受け止めようと迫る所と
そう叫びながら駆け寄ってくるリナリーの姿だった。
その後…
気がついたのは、次の日の昼だった。
その間は、頭も働かないままだったからか
あの夢も見ないまま、意識は目を覚ました時だけのものしかなかった。
神田「何があった」
恵土「…」
神田「…」イラッ
恵土「怖い夢を見た」
神田「は?
それだけであんな風になるかよ。
そんなに弱くねえだろ、お前は」
恵土「違うんだ。
前の自分って言うか、前世って言うか…」
神田「は!?;」
恵土「親しい人がいて、死んだばっかりで
その人は泣いてて、哀しんでて
自分を消していいから、引き換えにでも戻してって叫んだり
自暴自棄になって無茶しまくったり、祈ったり
挙句の果てには、その自分を殺した存在を滅亡させるってなっちまって;(ずううううん」
神田「重苦しいな;」
恵土「うん、一言で纏めるとそんな感じで…。
それを自分はただ見てるだけしか出来なくて
触れることさえもできなくって…(頭押さえる」
それを語るだけで、気が重くなって
再び、ふらついてきた。