第2章 プロローグ【実験】
次に目を覚ましたのは…
理不尽に、実験が始められた時だった。
それは、力が目覚めるまで監禁されることだった。
ベッドに縛り付けられたまま、高圧電流を流され続けた。
力が発現すれば、それをはねのけられるはずという判断から
それは、力が発現されるまでずっと続けられた…
その間、食事も水もずっと与えられず
高圧電流を流され続け、放置された。
何度も意識を失っては戻り
意識を取り戻してはあまりの痛みに再び失い
そうして気付けば…意識を保ったままでいられるようになり
痛いよ
苦しいよ
誰か…助けて
高圧電流を流すために繋がれた部位(腕)では
肉は爛れ、痛みしか感じなかった。
そして
閉じ込められてから、5年の月日が経った…
最初こそ、ずっと気を失うことが多かった。
意識が戻った途端、高圧電流が流れ
その直後に、痛みに耐えられずに気絶した。
だが、段々と慣れてきたのか
幼いながらも、意識を長く持てるようになってきた。
なぜか、一生懸命暴れて怪我をしても
瞬く間に治っていくのが見えた。
イノセンスを体内に入れられた影響かは定かじゃない。
でも…
それよりも、どうにかして欲しかった。
この痛みも、苦しみも…
助けを求めても、泣き叫んでも、どうにもならなかった。
その実験を行っている「周囲の人」は
私が意識を失っている間に
「せめて」と髪を綺麗にしたり、綺麗な服に着替えさせてくれていた。
短かった髪の毛は腰まで伸び
なぜか
栄養も何もないのに成長し続けるという不可思議な現象…
死にたくても死ねない。
誰も助けてくれない。
そんな状況に、私は絶望するしかなかった。