第2章 プロローグ【実験】
恵土「やめて!!やめてよお!!;;」
両手足を押さえられながら掲げられる中
泣きじゃくる私に…
ヘブラスカ「…済まない」
視えたその人の涙と、弱々しい声に…
その人も辛いんだと悟って、私は泣きじゃくるのをやめた。
ヘブラスカとの初対面は、それだった。
そうしてイノセンスを体内に入れられてから…
ルベリエ「咎落ちが起きない!
これもまた珍しい結果だ!!」
そう叫ばれる中…
恵土「パパとママ…
お前が、殺したのか?(ぐすっ」涙目
ルベリエ「ん?
何のことかな?
君の両親を殺したのは、アクマだろう?」
恵土「違う!!
傷口からアクマウイルス回らなかった!!
回れば跡形もなく消える!
それがなかったってことは…アクマじゃない!!
光を通じて、伝わってきたんだ。
私が倒した相手は、「鴉」だ!!」
「鴉」…
それは中央庁お抱えの戦闘部隊。
縛羽、炎羽…などの札を用いる特殊な技と
幼い頃から体術もまた鍛え上げられた存在。
それが、光を通して読み取れたことであり
父から教わった言葉と、重なっていた。
ルベリエ「…聴く耳持ちませんな」
険しい顔で、知らんふりをかますルベリエに
私は、怒りながら突っかかろうとした。
が
恵土「待っ
どすっ!!
どさっ!
恵土(何だ…?
…何か…刺された?
待て…
待てったら……)
倒れた視界に映るルベリエの後姿に
追いかけようとするも、頭がぐらぐらとして
立ち上がることも出来ず、這いつくばるしかなかった。
恵土(くそ…
ちく、しょう…)
その時、ルベリエの横にいた側近から
押さえ込まれると同時に、鎮静剤を打たれていたらしく
当時の私は、眠るしかなかった。