生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第11章 医者志望の医療行為(*)
話が飛躍し過ぎてついて行けない
まさかローの口からそんな単語が出るとは思ってもみなかったので正直戸惑う
いつの間にそんな話になっていたのかすら不明だ
「あの、嫁って…」
「お前以外に誰が居る」
「や、いるでしょ!もっと、こう!ローの隣でも引けをとらないような…美人とか!!言うならナミみたいな?!」
頭に浮かんだナイスバディで美しい友人を思い浮かべる
ついでにローと並ばせてみた…悔しいくらい似合うじゃないか
「他の女には興味ねェ…まぁ確かにお前は美人じゃァねぇな」
「う…そんなハッキリ言わなくても」
2人が似合うとか思ってしまった矢先に、思わぬ同意を得てしまった…
確かにそうだし、分かってはいることだが認められてしまえばそれはちょっと複雑な気持ちである
こういう乙女心とは常にややこしい
「怒るな、お前は可愛いって言ってんだ。それで充分だろう」
「とてもバカにされてる気分」
「…どう言やいいんだ」
拗ねたように言いつつも、そこはややこしい乙女心…恋人に"可愛い"と言われれば素直に嬉しくなってしまう
意外と単純なのも乙女心なのである
「もういいだろ、続けるぞ」
「なっ」
何かに痺れを切らしたローにヒョイと抱え上げられ、応接用なのか、アンティーク調の大きなソファに放り投げられてしまった
ふかふかの素材で痛みはなかったが、上手く起き上がれない
そうこうしている内に、逃すまいと腹に跨られたら逃げる術がなくなってしまう
「待って、続けるって、何を」
「あ?言っただろ、消毒だ」
「消毒って、ここ生徒会室だよ?」
「だからいいんじゃねェか、それとも見られるのが趣味なのか?」
「その、なんか人を変態みたいに言うのやめてくれないかな」
上手く会話が噛み合わない、ここが保健室ならまだしも
なんの変哲も無い生徒会室で、どうやって消毒をするというのか
見られるのが趣味かと聞かれても、ただの消毒くらい見られてもなんてことないのだけど
「現時点でローに見られてるしね」
「そうじゃねェ…第一お前は俺の女なんだから見て当然だ」
「それにまず怪我してないし。ねぇ、どいて?」
一向に動こうとせず、上から見下ろすままのローに上目遣いで首を傾げてみる
「そういうのは、男を煽るって分かってんのか」
逆効果だったらしい、更に上体を倒して距離が近づいてしまった
キスの雨が顔中に降ってくる