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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第10章 ないものねだり(微*)


「俺を怖がらねェ、からだ」

初対面で摘み上げて対峙した時、部活棟の裏で詰め寄ったとき
セナはキッドに恐れることなく、食い掛ってきた

2m越えの身長と、決して良くは見られない顔つき
言葉づかいも乱暴で、行動も粗雑だ
そんな自分の周りには、決まった仲間以外近寄らなくなっていく


他人と慣れ合いたいわけじゃない
ただローが、ちょっとだけ羨ましかったのは本当だ
自分と似たような部分も多いこの男が
自分にはないものばかりを持っている気がして

そんな劣等感に苛まれているところで現れたセナには
純粋に惹かれた
この女を、守りたいと守らなければと直感的に感じたのだ

「オレの女になれ、セナ」

傍に居ないと、気が狂っちまいそうだ

「ごめん、キッドの気持ちには応えられない」
「ああ、…分かってたよ」
「けどね、なにも恋人同士じゃなくてもいいと思うの」
「なに言ってんだ?」
「おい、セナなにを」

キッドの胸の内を聞いて、セナは申し訳なさそうに微笑んだ
けれど、次の瞬間には満面の笑顔を浮かべているので
キッドだけでなくローも声を掛けてきた

「友達…あ、親友とか」
「親友ぅ?バカにしてやがんのか」
「真剣に言ってるのに!親友って、下手すれば恋人より一緒に居られるんだけどなぁ」
「ユースタス屋を親友にするだと?許すわけねェだろ…そもそもそんな条件この男が飲むわけ、」

「いいじゃねェか…親友、なってやろうじゃねェの」
「テメェ正気か?!」

想定外のキッドの返事に思わずローが突っ込む
“恋人より一緒に居られる”に気をよくしたらしい…意外と単純な男だったようだ

「じゃあ、さっきの教えて?」
「あぁ、いいぜ」
「やめろ!」

「“悪魔の実”って知ってるか?」
「聞いたことはあるけど…」
「この学園には、その悪魔の実の能力者がうじゃうじゃ居んだよ」
「?!」

食べた者には人並み外れた能力を授けるといわれる“悪魔の実”
炎を操る者、動物に姿を変えられる者…その能力は様々だが、実際にその実を食べた人間を見た者はいない

「能力者は海に嫌われる。だから海と同じ成分を持つ“海楼石”って石に触れると能力者は力を発揮できなくなんだよ。でこの学園はその海楼石で建てられている」

だから能力者は全員この学園に入学を余儀なくされていた

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