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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第10章 ないものねだり(微*)


目の前にいた全員が凍りついたように固まり、そそくさと道を開けた

これ以上逆鱗に触れてはいけないと、全員が感じ取ったらしい
それほど、ローの声は冷え切っていて抑揚すらなかったのだ

開けた道を小走りで通り抜け、教室を後にした




「今頃気付いたのかァ?クックック…可哀想になセナ」
未だキッドの目の前に晒されていた秘所に舌を這わせて笑う
ローに見せつけるように、ゆっくりゆっくりと舌でなぞるように舌で舐め上げた

「…、ねェ…」
「あ?なんだよ」
「触んじゃねェ…つってんだよ!!!」

叫んだと同時に目にも留まらぬ速さで、間合いを詰めればキッドを蹴り飛ばした

「ガ…ッハ!」

一瞬反応に遅れたキッドはモロに蹴りを喰らい吹っ飛ばされてしまう
腕の拘束が無くなったセナはなんとか身体を起こした
次の瞬間、呼吸を奪われそうなほど強く抱き締められる
痛いほどの力が込められているのに、何故かひどく安心した

「…すまない、」
「ううん、私が甘かったから…ごめんなさい」
「謝んな…守れなかったのは、俺だ」

腕の中で小刻みに震える身体を、安心させるように抱き締めて額にキスを落としていく
それから瞼、頰、鼻、唇… 優しく啄ばむようなキスを何度も降らせる

「ッも、い…から」
「まだ震えてんじゃねェか」

「テメェら、オレを無視してんじゃねェ…!!」

起き上がったキッドが怒りを露わにして飛び掛かってきたが
セナを抱えたまま何事もなく避けたローは、体勢を立て直すキッドを再び睨みつける

「まだ居たのか、ユースタス屋」
「居るに決まってんだろォが!殺すぞ!!」
「此処で死ぬのはお前だろう?弱い奴は死に場所も選べねェんだよ…」

ローがスッ、と手のひらを地面に向けて構えると地面を蹴り上げた
屋上のコンクリートには影だけが残る

『すまない、コラさん…』

「“ROOM”…―」

周囲を囲むように半円上の薄青い膜が張られると、キッドが信じられないといった様子で目を瞠った

「なッ、テメェまさか…!!」
「テメェで選んだ死に場所が、屋上だったことを後悔するんだな…!“タクト”!!」

ボゴォッ

コンクリートが巨大な岩塊となって中心にいたキッドめがけて集まり、ぶつかり合って砕け散る

「ッ!」

あまりの光景に理解が追い付かずセナは思わず目を塞いだ
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