生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第10章 ないものねだり(微*)
「セナッ!!!」
屋上に足を踏み入れたローは視界に飛び込んできた光景に、目を瞠り言葉を失った
腕は一纏めに拘束され、上半身は露わになって白い肌が惜しげもなく晒されている
自分が全身に散らしたはずの無数の紅い痕、いくつか乱雑に新しい痕が重ねられているようだった
開かされている脚と腰を浮かせた格好のせいで、脚の間に鎮座したキッドに秘所を突き出す体勢になっていて
そのキッドの口元は、ヌラヌラと妖しく濡れ光っていた
秘所も赤く熟れながら濡れ光り、ヒクヒクと震えている
「ろ、ぉ…ッ」
顔だけ此方を向いたセナの頰には涙が伝い、力無く名を呼ばれれば目の前が真っ暗になった
怒り、憎しみ、後悔、焦燥、嫉妬…
一気に負の感情が渦巻いて、胸の内で膨れ上がる
「黙りこくってどうしたァ?…可哀想にな、テメェが女どもに手こずってる間によォ」
「!まさかアレは、ユースタス屋が仕向けたのか?!」
遡ること昼休憩開始直後
ローがセナの教室に遅れたのには理由があった
いつもは遠巻きにしか見ていない女達が、今日はやけに声を掛けてきたのだ
教室を出ようにも、大勢で進路を塞がれてはどうしようもなく話を聞いてみると
「「え、今日は私たちと一緒にお昼食べたいって」」
みな一様に口を揃えて言うのだ
どこからそんなデマが流れたのか
「そんなことあるわけねェだろ。誰が言った」
「トラファルガーくんが一斉にメールしたんでしょ?」
「は?」
「えーっと、ほら」
1人の女生徒にスマホを見せられて、メールを読む
"お前と昼を一緒にしたい。俺が教室を出るとき声をかけてくれ"
差出人のメールアドレスはTrafalgar_L@…どうやらフリーメールのようだ
「こんなあからさまなアドレスにするわけねェだろ…」
「そう?ローくんこういうのに無頓着そうだから」
「そもそもそれは俺じゃねェ、とりあえず退け。道を開けろ」
「なによー、せっかくお化粧直したのに」
「今日くらい嘘でも一緒に食べようよー」
この機会を逃すまいとやけに食い下がるので、例え女であろうが殴り飛ばしてしまおうかと考える
しかし女を殴るのは趣味ではないし、これでも生徒の上に立つ生徒会長
「悪いが、俺は先約がある」
「例の一年生の彼女?どこがいいの…あんな」
「ちょっと、やめなよ!」
「…目障りだ、失せろ」