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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第10章 ないものねだり(微*)


しかし黙っていたところで、ローが納得するはずもなく

「シャチ、吐け」
「うぇ?!」
「全てを話せと言ったんだ」
「あ、そういう…い、いいいやダメです!言えませんってば!」

口に手を当てて、喋るまいと唇を引き結んだ
ここで喋ってしまえば、ローが怒り狂ってしまうのは確かである
もしも何事もなくセナが帰ってきたとき、被害は最小限に抑えておきたい

それでも、シャチの胸に燻る不安は膨らむばかりだった
今この瞬間も、大切な幼馴染が危険に晒されている可能性は拭い去れない
それは近くにいたペンギンも同じだ、勿論他のメンバーも

「言えねェなら…無理にでも」
「ヒッ!」
「会長っ、俺から話します」
「オイッ!ペンギンやめろって、言っちまったら俺ら全員トラ男に殺される!!」

ローの威圧感にビビりまくったウソップが、ゾロを盾に猛抗議をし始めたがペンギンは揺るがない

「ごめんな、みんな。俺もシャチもセナの幼馴染だから…もしアイツの身に何かあれば、自分たちを一生許せない」
「何事もなけりゃ、それでいい。けど相手はあのユースタス・キッドだ、何事もなく終わるなんて呑気に思えないんだよ」

「「だから、俺たちと一緒に会長に怒られてくれ!!」」

2人の声が見事に重なり合い、ともすれば今にも土下座などしそうな勢いで頭を下げた

「勘違いしないでちょうだい、私たちだってね別にトラ男に怒られるのが怖くて黙ってたわけじゃないのよ」

今までの間に帰ってきたとすれば、事を荒立てるべきではないと考えていただけ
現状帰ってくる気配はないということは、彼女は危険に晒されている

「私たちも、セナさんに何かあったら自分たちを許せません」

幼馴染の彼らにとって、セナが大事なように
ここにいる全員だって、その想いは負けないくらい彼女は大事な仲間だ

「グダグダ言ってねェで、早く教えろ」

一向に進まない話に、ローは苛立ちを隠せずにいた
先ほどシャチが口走った名前に嫌な予感しかしない

「こんなことしてる場合じゃない!会長、落ち着いて聞いてくださいよ」



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ガチャリ

少し錆びついた扉を開けて外に出た
校庭で休み時間を満喫する笑い声が風に乗って運ばれてくる

セナはきょろきょろと辺りを見回してみるが、ローはおろかキッドの姿さえ見当たらない

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