• テキストサイズ

生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第10章 ないものねだり(微*)


「おいおい、自分から敵の懐に飛び込む気かよ!」
「会長が居なかったらどーすんだ、相手は冷酷非道で有名なユースタスだぞ!!」

こうしちゃいられないと、手早く荷物を片づけているとシャチもペンギンも慌てたように引き止める
周りのみんなも同じ意見のように静かに頷く

「命まで取られはしないでしょ、だから大丈夫」

一瞬動きを止めたかと思えば、あっけらかんと答えてそのまま教室を出ようとしている
しかし一度足を止めて、みんなを振り向いた

「お昼休憩も限られてるし、先にご飯食べててね!」

それだけ言い残して、足早に教室を出て行ってしまう
思い止まったのかと期待してしまったからか、全員が重苦しい溜め息を吐いてしまった
ただ一人、お腹を空かせたルフィだけが意気揚々とお重に手をかけている

「うほーっ、んまそー!!」
「汚ェな!口閉めろバカ」

弁当によだれを垂らして目を輝かせたルフィから、慌てて重箱を取り上げたサンジは再びフタをしてしまった

「なんで閉めんだよ!セナも先に食ってろって言ってたじゃねーか!」
「これは置いとくんだよ。全部食っちまったら、セナちゃんとローが戻ってきたときに食うモンがなくなっちまうだろーが」


「俺が…どうした」
「「!!!」」

風呂敷に包みなおしていたサンジの背後から、少しだけ息を乱したローが顔を出す
全員が驚きを隠せずに口をあんぐり開けたままなので、非常に間抜けな絵面である

「なんだトラ男居るじゃねーか!セナは?」
「何を言っている麦わら屋…ここはセナの教室だろうが」

言いつつ見渡したメンツの中に、一番求める姿が見当たらない

「おいおいおい、これヤベェんじゃねーか?!どーすんだよ!!!」
「ちょっ、ウソップさん!下手に言わない方が…!」

突然青い顔をして慌てふためきだしたウソップを落ち着かせようとするカヤの言葉に、ローがピクリと反応する

「お前、ここ来る途中にセナちゃんに会わなかったのかよ」
「会ってねェ…アイツどっか行ったのか?」
「「………」」


ローを探しに行くといって、キッドの元へ向かったなど言えるわけがない
しかもセナ自身が呼び出されていた事実も話すことになってしまうわけで

もしかしたら何事もなく帰ってくるかもしれない、事は荒立てない方がいいと全員が口を噤んだ
/ 369ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp