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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第10章 ないものねだり(微*)


そして、先ほどの騒ぎに至る

「そんなことになってたなんて」
「仲間のことになると熱くなっちゃうルフィはいつもの事だけど、トラ男があんなに焦ってるのは初めて見たわ」

着替え終わり、教室に向かいながらセナは居ても立ってもいられなくなった
自分のいない間に、ローはどれだけ心配してくれていたのだろうか

『早く、ローに逢いたい』

逢ってちゃんと伝えなきゃいけない
この思いの丈と、感謝の気持ち


はやる気持ちを胸に、教室へと入れば既に席を囲って見慣れた顔が揃っている
目をハートにしてクルクルと回りながら、サンジがこちらへ近づいてきた

「んナミすわぁ〜〜〜ん、セナちゅわぁ〜〜〜〜ん!お昼お持ちしましたよォ」

机の上には特大のお重箱が5つもあるのに驚いた
しかしナミ曰く『これのほとんどがルフィのお腹に収まる』とのこと
入り口で立ち尽くしていると、竹刀を抱えて椅子の上で眠っていたゾロが重々しく口を開く

「着替えんの遅ェんだよ、ルフィが喧しくてしゃーねェ」
「ご、ごめんなさい」
「クソ剣士、テメェセナちゃん泣かしてんじゃねェぞ」
「どう見たって泣いてないでしょ…」

サンジは女のことになると色々誤作動を起こす
冷静なツッコミを入れたナミに対して『冷たいナミさんも素敵だッ』と再び目はハートに戻った

「サンジー!ナミ達来たじゃねェか、早くメシ食わせろよ〜〜!!」
「そうだな…って、ローの野郎来てねェな」

みんなが辺りを見回しても確かに姿が見えない。ここに来るのを忘れている…ということはないだろう
数分前にも約束を交わしたのだから

「ラインも既読つかねェし、電話も繋がらねェな…」

留守電を吹き込んだあと、スマホを操作しながらウソップが首を傾げる

「私、呼んでくる…!」
「どこに居るのか分かったんですか?!」
「えっと」

ビビの言葉に思わず考え込む…ローが居そうな場所?
教室に居なかったら、生徒会室かも…いや、そうすれば電話に出ない理由がないし
例えば誰かに呼び出されて…ん?呼び出し…

「屋上かも!」
「なんで屋上なの?」
「キッドがいるはずなの、屋上に」

先ほどの一件で、ローは怒りが収まっていないはず
だとすれば屋上に向かうキッドを追って、そこでまた喧嘩になっているかもしれない

「私も呼び出されたし、ちょっと行ってくるね!」
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