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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第10章 ないものねだり(微*)


「生徒会長サマがサボりかァ?まだ授業中のはずだゼェ」
「ああ、いや…少し、体調が」

セットされた水色の髪に派手なシャツ、そして下は何故か海パン一枚
その身体は鍛え上げられ過ぎてサイボーグのように所々の筋肉が隆起している

教師とは言っても、彼はこの学校の用務員・フランキー
自らを変態と言い切る、変態だ
面倒なヤツに見つかってしまったと、ローは内心悪態を吐く

「アァン?保健室は向こうの校舎だよなァ」
「…ボーッとしていたんだ」

今は変態に構ってられない、早くセナを見つけ出さないと
そんな事情を知らないフランキーは、必要以上喋ろうとしないローに首を傾げた

「オイオイ大丈夫かァ…よッし、俺が連れてってやるゼェ!乗れ!」
「いやそこまででは無いんだ、だから離せ、やめろ…ッ」
「アウッ、しっかり掴まってなァ!行くゼェ!!」

この広い校内専用に改造したミニバイクに跨り、肩にローを担いでエンジン全開すれば、保健室のある校舎までひとっ飛びなのである
校舎の入り口に着くと一旦エンジンを止め、ローを降ろすと再びエンジンをかけた

「気ィ付けて行けよォ」
「ああ…」
「んじゃァな!」

爆風とともにフランキーはあっという間に元の場所へと戻っていってしまう
これでは先ほどの場所より先は探せなくなってしまい、他はもうシラミ潰しに探した後だ

「チッ、仕方ねぇ…」

ここは一旦、グラウンドに戻るしかなかった
授業のうちに、戻ってきたところを狙うしか今は出来ない

セナの身に何事もなければいい…だが、その望みは薄そうだ
何せ相手はあのキッドなのだから


「戻ってきたな、無事にお姫様は奪還できたか?」

生徒の記録を取っていたサボが、戻ってきたローに気付き声を掛けてきた
サボの話ぶりに大方、止めに入ったルフィが何かを言ったのは検討がつく

「…チッ」
「教師に舌打ちとは、その様子だと見つからなかったみたいだな」
「うるせェ」
「そう当たるなって。ほら、戻ってきた」

背後を指差した先を振り返れば、目立つ赤髪と抱えられたセナ
いち早くこちらに気付いたらしいキッドが、ニヤリと笑う
妙な胸騒ぎがする、地面に降り立ったセナに駆け寄ると見慣れない違和感を感じた

首筋に赤く鬱血の痕が一つ、白い肌に際立つように主張していた
自分がそれを付けた記憶はない

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