生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第10章 ないものねだり(微*)
そういえば話してなかった、と思い出し
部活棟の裏であったことや戻って来た時のことを全て話した
「だからあんなにトラ男がブチ切れてたワケね」
それじゃあと今度はナミが、居なかった間の話をしてくれた
(遡ること、セナがキッドに連れ去られた直後)
「セナ…!クソッ、ユースタス屋のヤツ!!」
小さくなっていく後ろ姿を見失う前に、追いかけようと
ローが駆け出したところで誰かに腕を引かれる
忌々しげに振り返ると、予想外の人物が腕を掴んでいた
「何のつもりだ」
「教師として、生徒の非行を止めるのは当然だろ?」
「なら今駆けてったあのバカを止めるのは俺の当然だ」
「勿論ユースタスの奴は、戻って来たときに説教するさ」
クラスの体育授業を担当していたサボと睨み合い、お互い一歩も譲る雰囲気はなくただ沈黙が流れた
「サボ!トラ男いじめんなァ!」
にゅっと睨み合う間にルフィが顔を出し、一瞬サボがたじろいだ
その隙に腕を振り払い、姿が見えなくなった方へと駆ける
「あっオイ!待てトラファルガー!」
後を追いかけようとサボが地面を蹴ったとき、目の前にルフィが立ちはだかる
その両サイドには、ゾロとサンジも無言で佇む
「ルフィ、邪魔しないでくれ!今は授業中で」
「ダメだ!トラ男はセナに惚れてんだ」
「それ今関係ないだろ…!」
「関係ある!セナは連れ去られたんだ、それをトラ男が助けに行くのは当たり前だ」
真っ直ぐとサボを見て、ルフィはきっぱり言い切る
その瞳は光が強い意志が宿っていて、そうなるとその意志が揺らぐことがないのは一番分かっているため溜息が漏れた
「分かったよ…その代わり帰ってきたら説教はするからな」
「おお…!ありがとな、サボ!」
「ルフィ〜兄ちゃんにはねェの?」
「おい、エースは何もしてねェだろ!」
「固いこと言うなって〜」
「ししし、俺は2人が兄ちゃんで嬉しいぞ!」
3人で盛り上がり出したので、2年クラスの体育担当だったスモーカーがげんこつを食らわして一旦全員が各々のクラスに戻ることになる
その頃ローは学園内を駆け回っていたが、一向に2人の姿が見つからない
授業中のため校内は静かで、下手に動き回れば他の教師に見つかる可能性を考えた矢先
「アウ!トラ男じゃねェか!」
「げ、ロボ屋」
変態の教師に見つかってしまう