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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第10章 ないものねだり(微*)


「おーい、ナミ、セナ!あれ、トラ男も居たのか!」

サンジの怒声を聞きつけたルフィとゾロも寄ってきて
グラウンドの一部が休憩時間のように騒がしくなる

「ナミさんお怪我は?セナちゃんも、当たってないかい?」
「ちゃんと避けたから大丈夫よ、ありがとサンジくん」
「私はナミより低い位置にいたし大丈夫です」

本人たちがそう言っても、大げさなほど全身をチェックして回るサンジ
その顔は真剣で、本当に心の底から心配しているようなので2人ともされるがままになるしかない…本人の気がすむまでは

「おい黒足屋。そもそも俺がセナに当てるワケねェだろ」
「ナミさんには当てる気だったろーが!テメェはたとえナミさんが許しても俺が許さんっ!」
「へぇ」
「オロす!」
「おいグル眉、あんま騒ぐと教師が」


「今が授業中だって、覚えてるヤツいるか?」

ローの不遜な態度に激昂したサンジが喚き散らすのを、ゾロが慌てて制したものの時既に遅し

穏やかな声が聞こえたため一斉にそちらを向くと緩いウェーブがかった金髪の教師が、腕を組んでにこやかな笑顔を浮かべている…左目の周囲にアザのような傷があるけれど、とても爽やかな雰囲気を纏っていた

しかし、にこやかであるのにその瞳は全然笑っていなかった…かなり怒っている様子
それもそうだ、今は全員授業中なのだから

ただそんな空気を読まずに、大声をあげた生徒が1人

「サボ!」
「お?ルフィ、お前も居たのか!」
「お前ら授業抜けてんな…ってルフィにサボ、こんな所で何やってんだ?」
「「エース!」」

顔を合わせた3人は、とても嬉しそうに肩を叩き合ったりしながら
ルフィに至っては他の2人に麦わら帽子ごと頭を撫でられて何やら喚いている

「サボ先生ってもしかして」
「麦わらの兄貴だよなァ」
「ッ?!」

突然降ってきた声とともに、頭にずしりと重みを感じて身動きが取れなくなった
顔を見なくとも、誰か分かる。今日初めて会ってからまだ数時間しか経っていないというのに

「ユースタス屋!テメェ性懲りもなく…セナから離れろ!!」
「やなこったァ!用があんだよ、てことで…コイツ借りてくぜェ」

頭の上に置かれていた腕が、一瞬でセナの身体を抱き上げるとキッドはダッシュで何処かへ走って行ってしまう

「ちょっと!まだ授業中…!!」
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