生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第9章 ライバル出現?!(微*)
例え生徒会長や風紀委員長であっても、学園において生徒は教師より立場が弱いもので
ましてスモーカーは生徒指導の担当なのだ、他の教師より生徒を罰する効力を持っているのは当然のこと
ここで下手に問題を起こせば、先の学園生活が危ぶまれてしまう
「分かったならとっとと戻りやがれ」
いつまで経っても出て行こうとしない場違いな3年に、始められないHR…スモーカーは教卓を指で叩きながらいい加減痺れを切らしてしまい、思わず声を荒げた
「分かったよ、戻りゃいーんだろ」
キッドは深く溜め息を吐いて、渋々といった様子で出入り口に向かって歩きだす
「…昼にまた来る」
「うん分かった。待ってるね」
あと一歩で教室から出ようとしたときに、潜んだ声で短く交わされた会話が耳に入る
『へぇ、また昼に…ねェ』
そのままキッドはごく自然に、教室を出ていく
なにも聞こえていない、ようなフリで内心ほくそ笑みながら自分の教室へ向かう
席に着くと、少し遅れてローが教室に入ってきた
何人かの女子がささやかに黄色い声を上げたが、本人はまったく気にしていない
寧ろどちらかと言えば、至極嫌そうな顔をしているくらいだ
「モッテモテの生徒会長サマよォ」
「…」
声をかければ、殺気を隠すこともなくぶつけてくる
入学当初からなにかと比較され続け、そもそも根本的にウマが合わない2人
顔を合わせれば、いつでも臨戦態勢に入るくらいに犬猿の仲である
「女は選り取り見取りのトラファルガーさーん、無視すんなよ」
「死ね」
「選り取り見取りのテメェが、なァんでセナなワケ」
「お前が言うな。まぁどうせ、俺への腹いせにアイツをからかってたんだろうが…」
「は?違ェし。俺ァ本気だゼ?」
犬猿の仲なのに、何故か席は隣同士になってしまう数奇な運命
このクラスの座席は、すべて担任の指示によるもの
「今日は少し遅れたほうが平穏だと出ていたからな…遅くなったがHRを始めよう」
長いブロンドの髪に能面のような無表情を貼り付けながら、足音もなく教室に入ってきた3-Aの担任は一枚のカードを懐にしまいながら教壇に立つ
担任の名はバジル・ホーキンス。担当教科は英語
彼の趣味は占いである
「…トラファルガー」
「なんだよ?ッ!」
おもむろに名を呼んだかと思えば、一枚のカードを取り出し投げつけてきたので咄嗟に手に取る