生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第9章 ライバル出現?!(微*)
いつから居たのか廊下の窓枠に寄りかかって頬杖をつきながら会話に割り込んできたのは、先ほどまで顔を合わせていたキッドだった
「キッド先輩なんでここに?」
「お前に会いにきたに決まってんだろーが」
窓枠を越えて教室に入ってきたかと思えば、次の瞬間にはセナを腕の中に収めて近くの壁に寄り掛かかる
ほんの一瞬の身のこなしに、ローもセナ本人も対応が遅れてしまう
「そいつを返せ、ユースタス屋」
「おーおー、いつものナメくさった余裕はどこ行ったァ?らしくねェな、トラファルガー」
「うるせェ、バラされたくなければさっさと…!」
「そんな脅しでオレが怯むと思ってんのか?たかが女1人に、えらくご執心かよ。ダセェ」
鬼の首でも取ったかのように余裕を見せるキッドが腕の中のセナに顔を寄せる。本人はギリギリ死角になっているため気付かない
わざとゆっくり舌を出しながらローに見せつけるようにして、固まっている頰に舌を這わせた
「ヒィ…っ?!」
「ッ貴様…!!!」
「おっと、」
完全にキレたローが竹刀を振りかざしたところに、キッドがセナを解放しその身体を押し付けて身を引く
咄嗟に小さな身体をしっかりと抱き留めれば、ギロリと距離を置いた相手を睨め付ける
「仕方ねェ、ひとまず返してやる」
「返すもなにも、元からコイツは俺のモノだ。死ねバカスタス…!」
「誰がバカスタスだァ?それならテメェはバカファルガーだ!」
「…バラされる覚悟は出来てんだろうな」
またもや一触即発の状況でお互い戦闘態勢を構えたところで
ガララッ
小気味よい音と共に教室のドアが開く
顔を出したのはこの1-Cクラスの担任…
出席簿を片手に教室へと入ったスモーカーは目の前の異様な光景に眉を顰めた
竹刀を構える生徒会長と腕に抱かれた自分のクラスの生徒、対峙するのは確か風紀委員長で…ってか、こいつら何やってんだ
そもそも担任が教室に入ってきた時点で、本鈴が鳴り終わってることに気付かないのか
「人の教室で喧嘩とは上等だ…テメェら、指導室にぶち込まれる覚悟はあるんだろうな?」
生徒指導室の主任教師も任されているスモーカーは、青筋を立てて目の前の…主に暴れようとしている2人を半ば脅す形で制す
「チッ、ココ白猟のクラスかよ」
「怖くはないが、白猟屋が相手となると厄介だな」