生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第9章 ライバル出現?!(微*)
キッドの叫びを完全無視して、ローは校舎へと歩き始める
抱えられたままのセナは、されるがままに運ばれるしかなかった
『2日連続お姫様抱っこで登場することになるとは…』
相変わらず周囲の視線が痛い
教室に着くと、昨日と変わらずのメンバーが集っていた
「みんな、おはよー」
ローに下ろしてもらい、女子グループに駆け寄る
「おはよ!しかし今日も朝からモテモテね」
「おはようございます!罪作り、ってヤツですね!セナさん」
「ユースタス先輩って、トラファルガー先輩と並んで人気がある先輩じゃなかったっけ?あ、おはよう!」
挨拶の返事もそこそこに、ナミ・ビビ・カヤは先ほどの騒動についてキャッキャと色めき立っている
いつの時代も、女子はこういう話題が好きなのだ
「ふーんキッド先輩って、そんなに有名なの?」
「「キッド先輩?!」」
席に着いたセナを取り囲むようにしていた3人ともが、ガタッと一斉に立ち上がる
「?どうしたの」
「名前で呼び合うなんて、親しすぎじゃないですか!」
「そう?だって呼びにくいよ?えっと…ユースタス、だっけ」
「いやいや、問題そこじゃないと思う…」
「うーん、別に本人も気にしてないんじゃない?」
「アンタねぇ…気にし過ぎるのが身近に居るの、忘れたの」
こめかみを押さえながら、ナミが大げさな溜息を吐く
カヤとビビにはまるで憐れむように肩を叩かれた
「お前はことごとく、人の神経を逆撫でする天才なのか?」
「…ははは、ローだけよ」
そういえば、出会った日にこの類の話でローは見事に拗ねてしまったのをすっかり忘れていたのである
「フン、そんな特別なんざいらねェ」
「デスヨネー」
「分かってやってんじゃねェだろうな」
「なにが?」
セナの口から他の男の名前を聞くたび、心臓を鷲掴みにされたような苦しさに見舞われているというのに
加えて親しげに呼んでいれば、毎度嫉妬の炎に焼かれてしまいそうになるのだ
そんなローの気持ちを知ってか知らずか、きょとんと首を傾げて見上げてくるものだからタチが悪い
「とりあえず、ユースタス屋には近付くな。近付いてきたら全力で逃げろ」
「ええ…」
「いいか、お前が思うほどヤツは甘くねェんだよ。下手すりゃ犯そうとするかもしれねェ」
「さすがの俺も、惚れた女にはそこまで野蛮じゃねェな」