生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第9章 ライバル出現?!(微*)
目の前で凶悪に笑っていた赤髪の顔に、革靴がめり込んだのと同時に
支えを失ったセナの身体が宙に投げ出される
「きゃあーっ!」
ポスンッ
地面に叩きつけられるのを覚悟で目をギュッと閉じるが、いつまで経っても衝撃はこない
まさか衝撃を感じる間も無く、死んでしまったのだろうか?
恐る恐る目を開けてみると、そこは腕の中だった
顔を上げれば怒りを露わにしたローが、鬼の形相で赤髪を睨み付けている
「ッテェな…いきなり何しやがんだ!殺す気かッ!!」
ふらりと立ち上がった赤髪の顔には、くっきり靴底の跡が残っていた
「人の女に手ェ出そうとして、殺されねェだけマシだと思わねェか?」
「へーへーお優しいこって。でもその優しさが命取りにならなきゃァいいがな」
「どういう意味だ」
「奪ってやるよ、テメェの女なら尚更なァ…さぞかし悔しがらせてやろうじゃねェの」
「貴様…!」
頰の跡を撫でつけながら、ニィッと余裕の笑みを浮かべている
セナのことになると見事に余裕が消え去るローは、まんまと挑発に乗せられ逆上寸前だ
「あの…いくつか、いい?」
「「あ?」」
ローの腕の中で小さく挙手をすると、声を揃えた2人の視線が集まる
「まず赤髪さん」
「そりゃあ俺のことか?」
「そう、だって名前を聞いてないもの。名乗りもしない失礼な人を好きになるなんてまず無いから」
「…ユースタス・キッド。3年で風紀委員長だ」
「キッド先輩、じゃあ今度は私ですね。名前は白石 セナ。1年の生徒会書記です」
キッドは頭をガシガシと掻きながら、不満そうに唇を尖らせて自己紹介をした
それに応えるように、セナも自己紹介をする
「おい、どういうつもりだ」
目の前で自己紹介をし合う2人に、ローは苛立ちを隠せない
「怒らないでよ。そもそも私が、ロー以外のところに行くと思う?」
「行かせるわけねェだろ」
「ふふ、まず行かないから安心して」
「おいっセナ!どういうことだ、名乗らせといて…テメェ騙しやがったな?!」
「初対面で自己紹介するのは当たり前でしょ?それと別に、名乗ったから好きになるなんて言ってない」
ギャーギャーと喚くキッドをよそに、あっさりと言い切るセナ
傍らでローがしたり顔を浮かべている
「必ず落としてやるからなァ!セナ!!」