生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第8章 楽しい学校生活のススメ
盛大なため息を吐きながら、ナミが引き剥がすように2人の間に入る
完全に2人の世界に入っていたため、忘れていたが
ナミだけじゃない、シャチもペンギンもゾロも…寝ていたはずのルフィまで起きていて一部始終を見られていたのだ
セナは冷え切って青白かった肌が一気に熱を持つのを感じて、思わず毛布を頭から被りたくなった
なんだか色々と恥ずかしい
「あのねぇ、今更恥ずかしがってどーすんのよ」
「だって!みんな見てたんでしょ?!」
「アンタたちのバカップルぶりなんて昨日から見飽きてるわ」
そういえば昨日は壇上でキスされ、控えの席でキスをされ…今日に至ってはお姫様抱っこをされて登校
見飽きてると言われてもそれは見てる側の意見である
見られてる方からすれば、何度だって恥ずかしいことこの上ない
「そうかもしれないけど、本来は見られるものじゃないんだから」
「見せつけてやりゃいいだろ」
そもそもローがこういう調子で所構わず触れようとしてくるのがいけないと思う
「まぁトラ男はちょっとやり過ぎね。だからセナがこんな目に遭ったの、分かってんの?」
「だからこれは別に」
「隠してもムダよ。相手の大体の検討はついてるし、ゾロも顔覚えてるんでしょ」
「まァな」
ゾロ先輩にまで加担されたら、言い逃れはできそうにない
私は本当に気にしてないんだけどなぁ…
「また“自分は気にしてないからいいのに”とか思ってんな?」
「えっなんで」
「お前小学生の時にいじめられたじゃん。あの時俺らが仕返ししようとしたら、そう言っただろ」
そんなことあったっけ?でも2人が覚えているのだから、確かなことだ
2人はいつもこうして私のそばで、私を見守ってくれている
「例えセナが気にしてなくても、周りは気にするんだよ。みんなお前が大事なんだから」
「お前だって大事な人が同じ目に遭ったら、怒るだろ」
確かにそうだ。今ここにいる誰かが、もしさっきの私と同じ目に遭ったのなら
私は全力で相手を探し出して、返り討ちにするだろう
なのに私自身は、私を大事にしてなくて今回みんなに迷惑をかけた
ナミやペンギン・シャチの話を聞いていれば
ローから逃げずに話し合っていれば
未然に防げたことなのかもしれない
今更“もしも”の話をしたところで、取り返しはつかないけど
「みんな、ありがとう!」