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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第8章 楽しい学校生活のススメ


すっかり顔色も元に戻った麦わら屋が大イビキをかきはじめた頃
扉の外で誰かがすすり泣く声が聞こえる

『セナか?』

焦っているのをナミ屋に気付かれないように、しかし心持ち早足で扉を開けた

「「ゔゔっ…がいぢょぉ〜〜〜」」

しかし居たのは何故か大泣きしているシャチとペンギン
セナの姿はない

「なんで泣いてんだ」

理由を聞こうにも泣きながら話すものだから、何を言っているのか分からない
取り敢えず2人を中に入れ、落ち着くのを待つしかなかった








本当はセナの口から、セナの本当の気持ちをローに伝えさせたかった
けれど長年の付き合いであるシャチとペンギンにはそれが叶うとは到底思えない

セナという幼馴染は素直じゃないというより、不器用すぎるのだ…主に対人関係において
相手の好意を素直に受け入れられない上に、自分の好意を隠そうとしてしまう
分かる人間には非常に分かりやすいのだが、本人は至ってそれを隠そうとする
問い詰められればムキになる、さらに誤魔化すために口が悪くなり

3人だけの廊下で繰り広げられた先ほどの状態だ


彼女がこうなってしまったのには、幼い頃に理由がある
それはまたの機会に、話すことになるのだが





「あいつは…バカか」

話を聞いて、思わず悪態を吐く
数時間前、職員室へ向かう廊下で繰り広げられた会話を全て2人から聞いたからだ

『いや、本当にバカなのは俺か』

隠すつもりがあったわけじゃないが、知られなければそれでもいいと…どこかで考えていた
そんな浅はかな考えが、セナを追い詰め…傷つけてしまったのか

それなのに、それでも俺の傍に居たいと願ったという

だったら傍に居ろ
俺から離れるな
絶対に離さない
都合のいい女でいいだと…?ふざけんな


お前は特別なんだよ、セナ



バタンッ

「おい、タオルと替えの服ねェか?」



道着を着たままのゾロが、生徒会室のドアを蹴り開けた
腕に何かを抱えている

「「セナ?!!」」
「ちょっとゾロ!アンタセナに何したのよ!」
「俺じゃねェし!…まァ色々な、取り敢えずタオル寄越せ。こいつ下に置いたら床が濡れちまう」
「ひとまず此処に」

ソファで寝ていたルフィを蹴落とし、かけていた毛布を敷いてナミが言う
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