生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第8章 楽しい学校生活のススメ
「スモーカー先生…あ」
「遅ェ」
「本当にすみません…」
職員室のドアを開けて中を見渡せば、火のついていないタバコをくわえて机に向かっている姿を見つける
声を掛けたところでギロリと睨むように顔を上げられたものだから、必死に頭を下げる
「もういい、顔上げろ」
「すみません…」
「謝んな。ほら、今朝配ったプリントやらだ」
バサッと乱雑に、紙の束を押し付けられて一瞬戸惑う
てっきり何か怒られるのかと思っていたからだ
「何を不思議そうな顔してやがる」
「ええっと…呼び出された理由は?」
「?それ渡す為に決まってんだろうが」
『それなら教室で渡してくれてもいいんじゃ…』
流石に口にはしないけど
もっと怖い先生かと思っていたが、実は意外と優しいのかも
「そういや体調はもう良いのか」
「!はいっ、お陰様で大丈夫です!」
「ならいいが」
シャチの嘘を真に受けてくれて、心配までしてくれている
ちょっと心が痛むけど、スモーカーの優しさが今は嬉しい
そんなことを考えて、ちょっとばかり心を和ませていると
茶色い手袋をした大きな手が頰に添えられて、思わず身構えてしまう
「…泣いたのか、目ェ赤いな」
「!!」
「まさかイジメじゃねェだろうな」
「ちがっ、います」
さっき色々と感情が高ぶって思わず泣いてしまっただけなので、非常に恥ずかしくて出来る限り俯く
すると今度は頭をポンポンと撫でられてしまった
「もうすぐ暗くなる、早いトコ帰れよ」
「ありがとうございます!」
「明日は遅刻すんじゃねェぞ」
「しませんっ」
軽く一礼して、職員室を後にする
人気の少ない廊下は不気味なほどに静かで薄暗い
無意識に足早で進むと、刹那足に何かが触れた
ドッターン!!
「いっタタタ…」
「あれぇ?白石さん、何してるの?」
「何も無いところでコケちゃったんだぁ?」
暗がりで気付かなかったが、どうやらロープが張られていたらしい
足早だったこともあって、結構盛大にコケてしまった
そしてコケたと同時に、曲がり角から出てくる人影…例の女子4人組だ
わざとらしく声を掛けながら、クスクスと笑っている
「ねぇ、なんであんたなんかがロー会長の彼女なわけ?」
「いッ…」
うつ伏せにコケた体勢のまま、いつの間にか足を押さえつけられ
前髪を掴まれて顔を上げさせられた
「あ、もう彼女じゃないか」