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生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)

第2章 高校デビュー?


誰も居なければ泣いていただろう
プライドが高い割に、私の涙腺は脆かったりする

だけど今は泣かない、目の前に見ず知らずの…しかも男の人が居る
ここで泣いたら…

トスン
「え?」

「俺はお前の事を知らねェ、それと…何も見えてねェよ」

どうやら私は抱き締められているようで
男の人はそう言うと、あやすように背中をポンポンと叩いてくれる
ギリギリで堪えていた涙腺はついに堰を切ったように静かに溢れ出す



どれくらいそうしていたのだろうか…少し落ち着いた私は、男の人を伺うように目線をチラリと上げてみた

「…」
「!」

まさかのバッチリ目があった
めっちゃ見られてた…!!!はっ恥ずかしい!!

「ああああの、ごめんなさいありがとうございますスミマセン…!」

恥ずかしさはもちろん、見上げた男の人がとても端整な顔立ちをしていたので思わず腕の中から逃げて距離を取る


「クックッ…泣いてたかと思えば、忙しいヤツだな」
「ッスミマセン!」
「なぜ謝る。泣くのは悪いことじゃねェだろ」
「いやあのなんというか…初対面の人にお見苦しい所をお見せしたというか……あの、なんかゴメンナサイ」
「だから謝るんじゃねェよ。で、どうする」
「へ?ど、どうするとは…」

「あ?お前新入生だろ。入学式サボる気か?」
「ああっ!そうだった!!いやでも今更会場に入るのは晒し者になr」

パシッ

「ついてこい」
「へっ?!」

いきなり腕を掴まれて、並木道の脇に逸れて歩いてゆく。
道なき道(とはいえ手入れはされてる)を進むと、スピーカー越しの話し声が聞こえてきた

「え、あの…ここ」
「入学式の会場だ」
「いやそれは、分かりますけど…そうじゃなくって!」
「同級生に笑われたくねェんなら、大人しくしとけ」
「うっ…でも」
「悪いようにはしねェよ」

端整な顔立ちが、ひどく愉快そうに笑った。


バタン!

「トラファルガー!お前どこ行ってやがった!?」
校内なのに室内なのに葉巻をくわえた白髪の大柄な先生が忌々しげに男の人を見遣る
「こいつを迎えに行っていた」
「ああ?新入生じゃねェか、堂々と遅刻か?」
「ヒッ!や、その」
「いや、打ち合わせをしていて遅くなった。今から挨拶すればいいんだろう」

トラファルガーと呼ばれた男の人は、私の手を掴んだまま登壇し、私はされるがまま同級生たちを見下ろすこととなる
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