生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第8章 楽しい学校生活のススメ
「勘違いじゃねーぞ!だって毎回学校帰りにトラ男に会うと、違う女と居た!俺は見た!!」
「テメェら何の話をしてやがる」
ムキになったルフィが完全に言い切ったところで、ローが手洗いから戻ってくる
そして明らかにルフィの声を聞いた上で、静かにその場で問いかけた
「何の話を、していたと聞いてるんだ」
険悪な雰囲気を隠すことなくまとい、怒気をはらんだ声は地を這うように低い
教室全体が思わず息を詰めるほど静まり返る
しかしそんなローの様子に、セナの中で不安が確信に変わってしまう
「やっぱり、私なんかじゃ釣り合わないんだよ」
「セナ?なに言って…」
セナの震えた声が静まり返った教室内に響く
「私はっ、ローの隣に相応しくない!分かってたけど、ローの強引さに、甘えて私は」
「ちょっ、セナちゃん落ち着いて」
「落ち着いてる!落ち着いてるから私は、冷静に考えて…ローの彼女にはなれない!!」
「セナ落ち着きなさいってば!」
ガララッ
「おーい席に着けよー…って、え、何だこの状況は?」
気付けばお昼の休憩時間が終わり、1-Cは5限目が化学
担当は生徒会の顧問も務めるコラソンなので、本鈴より少し前に教室へと赴いたのだが
無言で立ち尽くすローと、少し離れて向かい合うのは今にも泣き出しそうなセナ
それを見守るように、ルフィ達や他の生徒達も黙って2人を見つめていた
「何があったのか分からんが、取り敢えずもう授業始まるから各自教室に戻りなさい」
パンパンッと手を叩いて、それぞれの学年や教室へと戻ることを促す
「セナ…さっきのは」
「トラ男戻るぞ、」
「ッおい、終わったら生徒会室に!絶対来い!」
「………」
ゾロに引っ張られながら、ローは半ば叫ぶように言い残して教室を去る
それにセナは返事を返しはしなかった
2人の状況にコラソンも動揺を隠せずにいたが、ここは私情を挟むべきではないのも重々承知である
ローたちの足音が階段の向こうに消え、教室内全員が席に着いたのを確認すると教科書を開く
ただしやはり動揺を隠しきれず、いつものドジに輪をかけてドジをかましてしまうのであった
=====
「白石ー、HR終わったら職員室に来い」
「えっ」
『入学早々呼び出しとかいやだな…』