生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第21章 教えてセンセイ(*)
ローは己と家族が侵された病を治すため、コラソンと共に探し求めたオペオペの実を口にしたという
そしてその能力が、同じ病を宿すセナとを繋いだ
「理由があって食うヤツも、うっかり食っちまうヤツも…みんなそれがその時、もしかしたら後々でも必要だったからだって、俺は思うぜ」
エースは律儀に扉から顔だけ覗かせてセナと視線を交えた。入ろうとすれば簡単に入れるであろう扉一枚を隔て、それでも伝わるのは太陽のような眩しくて温かい笑み
その笑顔は、血の繋がっていないはずのルフィの笑顔ととてもよく似ている気がした
「ま、悪魔の実は勉強にゃ活かせねェな。多分」
「確かに!」
能力によっては使い方次第ではあるかもしれないが。この場にいる能力者の力は少なくとも役に立たなさそうだ
「俺も教えてやれることはねェけどよ。そうだ、サボのヤツ呼んできてやるよ!アイツ確か英語とか数学も免許取ってたはずだから」
「そんな、悪いですよ!サボ先生も忙しいでしょ?」
「いや、ルフィが勉強するか監視するって意気込んでたし。お前ら今日は時間までここに居るんだろ?」
「監視するなら帰ってしてくれ」
セナに問い掛けた返答は、彼女の肩を抱き寄せ不機嫌を丸出しにしたローから返ってくる
「相変わらずだなァ、お前」
「何が言いたい、火拳屋」
「そう噛みつくなって。俺は良かれと思って…」
先日の騒動を、エースも気にかけていた。セナのクラス担任であるスモーカーが時折心配そうにセナの単位のことをボヤいていたのを耳にしたこともある
「俺がいるんだ。単位を落とさせるわけがねェ」
「へーへー、その調子でウチの弟もよろしく頼むよ。ルフィ!ちゃんとトラファルガーに教えてもらってこい!」
「おー!任せろ!トラ男が居ればバッチリだ!!」
「全然バッチリじゃねェ!さっさと問題解け、麦わら屋!!」
弟が本気でシバかれてる様子に苦笑いしつつも、なんだかんだ面倒見のいいローが居れば安心かとエースは来た道を戻っていった
「ロー、声大きい」
「麦わら屋のせいだろ。俺は悪く「ロビン先生に塞いでもらう??」
いつの間にまた騒いでいたのか、既に彼女の能力で関節技に持ち込まれたシャチとペンギンに視線をやったセナ
その背後ではいつでも準備万端だと技を出す構えのロビンが笑みを深くする