生徒会室は寵愛の鳥籠(ONE PIECE長編学園パロ)
第21章 教えてセンセイ(*)
「会長のお陰で、俺は勝てる気がする」
「何と勝負してんだよ?シャチはそういうところが、甘いんだっての」
「言ったなペンギン?じゃあ俺と点数勝負だ!」
「あら、あまり騒ぐようなら口を塞がせてもらうけど」
「「すみませんでした」」
試験前日、風紀委員室は教室の広さから全学年全クラスの試験用紙を準備・保管する場所となってしまうことを今朝キラーから聞いた
そのため風紀委員長であるキッドですら生徒の立ち入りは一切禁止となってしまい、急きょ使わせてもらえる教室を探すこととなる
「ロビン先生、すみません。2人ともうるさくって…」
「それは冗談よ。それにセナが謝る必要はないと思うけど」
室内を見渡せる少し高い位置に作られた専用席に佇む黒髪の女性が、読んでいた本を閉じてセナにニコリと微笑みかけた
ルフィやナミと仲の良いニコ・ロビンは歴史担当の教師で、海楼学園では校舎棟を除いて一番広い図書室の司書でもある
この学園の歴史は古く、図書室の蔵書には貴重な文献も多いため一般人には管理を任せていない
「せっかく図書室を使わせてもらってるので、ルールは守らないと…」
「ふふ、真面目なのね。今日は貴女たちの貸切にしているから気にしなくてもいいのよ?」
「そうだったんですか?!」
「ええ、トラ男のお姫さまのお願いですもの」
そう言ってクスクスと笑みを浮かべるロビンに、セナはほんのり頰を染めた
この学園に入ってからというもの、仲間以外の自分に対する認識が非常に恥ずかしい
それは初日の出来事や、日頃の行いなどが関係しているのは分かるのだが
ローがセナに対して傅くような関係だという風に話が広まっていることは、非常に複雑な気分だった
「あら、お気に召さなかったかしら?」
「あっいえ、違います!でも…私はお姫さまなんかじゃないですよ」
「?そうなの?」
「私だって、ローのこと好きなんです。だから私だけが特別じゃないです」
お互いに好き合うのだから、その関係は等しくあるものだと思う
どちらか一方が、特別だとか優越しているなんてことは恋人同士という関係に相応しくない
「愛されてるのね、トラ男は」
「もーホントただのバカップルなんだから」
「俺たちだけの貸切とはいえ、大勢の前で告白するのは似た者同士だよなァー」
「ちょっとナミ!ウソップくんまで!!」